正直試合内容に関して言うと、あまり良いものではなかった。審判のジャッジにもストレスを感じたし、11人対10人になっても数的優位を利用しきれなかったし、それどころか、それ以後も危なっかしい場面ばかりで2失点を食らう始末だったし…。
しかし今日チームに求められたものは結果だったわけで、昨年に続いてナビ杯予選リーグを突破できた事は、塚田体制の追い風になるのは間違いないと思う。
スポーツ紙web版のスタメン予想では森島寛は右MFというところも有ったが、結局はこんな形になった。
試合開始後暫くこの布陣がどう機能するのか見ていたが、思っていたよりずっといい流れが出来ていた(あくまで「思っていた」よりではあるけれど)。
点を獲る根幹は古橋-西澤-森島寛のトライアングルなのだけれど、今まではそこにいいボールが入らなかった。この布陣ではそこに宮原、山田、ゼ・カルロスが絡み、質の高いボールが供給されるようになった。全体の動き、特に攻撃時の質が一つ上がったように感じた。
勿論ゼ・カルロス、宮原の後ろは危険なゾーンが生まれているので、その辺りを突かれると多少バタバタしたけれど、後ろにいるSB二人、山崎と藤本が守備のスペシャリストという事で、システム上の問題はあまり感じなかった。前半は殆どセレッソペースだったか。
前半開始20分頃、幾度かの惜しいシーンの後に、ようやく攻撃が結実する瞬間が訪れた。相手ゴール前の混戦の際に小林慶が反則(ハンドだったか?)で一発退場になり、それによって得たPKをゼ・カルロスが落ち着いて決めたのだ。
勿論退場とPKは有り難い措置だったが、ここから試合が荒れてきたように感じた。何度も神経質なホイッスルが鳴り、カードが乱舞した。厳格なジャッジなのだと割り切れれば良いのだけれど、波戸(グラウ?)が山崎の足下を削ったシーンではイエローが出ただけ。今日の主審奥谷氏が試合を上手くコントロール出来ていたかと問われれば、自信を持って「NO」。
大宮も強かなもので、この少々エキセントリックなジャッジを利用してゴール前でファウルを誘い、セットプレーに活路を見出してきた。公式のスタッツでの直接フリーキック数が、セレッソ14に対して大宮が20なのは、セレッソが相手の策にはまった証拠。一度は土屋にあわせられて肝を冷やすシーンまで有った。
後半は山崎が大事をとって柳本と交代したものの、チームの役割分担に変化無し。
ここからセレッソが誇る二枚看板、森島寛と西澤の名人芸が披露された。お互いが位置確認などしなくても、どこにいてどんなボールを欲しているのかが判るというのだから、凄まじい。
試合の流れを決定的にした後半開始早々のアキゴール。演出したのは、森島寛の鋭いピンポイントクロス。グラウに角度の無い所からゴールを決められ(吉田にとってハイボールと速いニアサイドからのシュートは泣き所)、試合が混沌としてきたところで生まれた試合終了間近の2点目も宮原、森島寛がお膳立てをしたものだった。
これでスッキリと終わればよかったのだけれど、ロスタイムの2失点目は本当に勿体無い。グラウがやたらとセレッソ戦で活躍しているのを差し引いても、あまりに緩慢だった。
後半35分の古橋→柿本の交代が伏線になるのだろうか。
古橋と柿本では与えられた役割が違う。恐らくポスト役を増やして前線でボールキープをさせようという狙いが有ったのだろうけれど、今日は西澤と動きが被ったり、プレーにキレが無く、捨て身で攻めてくる大宮から流れを奪えなかった。このあたりはまだ宿題が残っている感じか。
ただ6月もセレッソの試合が観られるのはセレサポにとって嬉しい話。試合が増える事でチームの錬度も上がるだろうし、この一勝は大きい。
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