5/23/2010

ヤマザキナビスコカップ 第3節 京都2VS1C大阪 予定内、予定外。

前半45分+1 水本 裕貴(京都)
後半25分 播戸 竜二(C大阪)
後半34分 ディエゴ(京都)


不快感のある90分だった。セレッソらしさがなかなか観られず、怪我人も出た。試合の勝敗も勿論、これからのことを考えればこのアクシデントは痛い。そんな苦しい中、チームスタッフは個々人でベストを尽くしてくれたと思う。特にスクランブル発進だった丸橋の働き、小松の働き、播戸の2試合連続ゴール。いいところは継続し、修正しなければいけない部分は試合でこなしていかなくては。厳しいが、それが現実。

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スタメンとベンチ。予想通りダブルボランチは黒木とアマラウ。3シャドーは家長、乾、清武。羽田はベンチ、丸橋も名古屋戦以来のベンチ入り。

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試合開始時


立ち上がりは非常に厳しく、セレッソらしいスピードあふれるドリブルとパスワークでの崩しが出来ないでいた。当たり前なのだけれど長年コンビを組んでいた香川、乾のコンビネーションと、実戦初コンビになる乾、清武では熟成度が全く違う。家長は本当に特異例なのだ。バックアップするべきダブルボランチも機能しているとは言い難く、キモである中盤で後手を踏む。

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清武と乾。


結果として長いボールを播戸に当てるという単純な攻めが目立ち。体格に勝る京都の守備ブロックに易々と跳ね返されてしまった。播戸一人でポストプレーを完遂するのは無理があるのはわかっていることなのだが…。

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金狼孤立。


少しセンチメンタルなことを言うならば、前半の乾はまだ香川を引きずっていたように見えた。家長とのワンツーの後、単独でドリブルで仕掛けた後、あらぬ方向にパスを出すことがあった。確かにそこにはスペースがあって、選手が走りこんでいれば攻めの威力はより強くなっていたはずなのだけど、今はそこに選手はいないのだ。

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少し寂しい。


救いは家長。彼は誰がどこにいても、いなくても、自分のプレーをキチンとこなしている。彼のキープ力が無ければ前半はもっと苦しかったろう。


こうして3シャドーの連携を中心に試合を観ていたのだけれど、実に苦しいアクシデントがあった。前半40分の清武の負傷だ。駆けつけたドクターがすぐに続行不可能のサインを出していたほどだから、長引く可能性が高いだろう。急遽丸橋が呼ばれ、同じポジションに入る。

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前半43分


このまま0-0で折り返せばよかったのだが、CKから水本に詰められてロスタイムで失点。神戸戦とは逆の流れで折り返しを迎える。


後半の立ち上がりも前半同様の流れで、閉塞感は変わらず。黒木もらしくないパスミスが目立つし、両サイドも効果的なオーバーラップが出来ない。攻めに対する手立てが全く立てられないでいた。そんな中で、急遽出場した丸橋がいい動きをしたのは嬉しい誤算だった。

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キッカーとしても。


乾や家長に比べれば線の細さやプレーの質に不満は残る。しかしあの状態であれだけ自分らしいプレー、そしてチームのためのプレーをしてくれたことをありがたいと思う。後述するが中盤左側ならどこでもこなせる使い勝手のよさもアピールポイントだろう。


トップにボールが収まらず、急造の3シャドーも機能しないと確認したクルピは今年初めて思い切った攻めの手をうった。黒木を下げて小松投入。丸橋を一列下げてボランチに入れ、4-2-2-2にシステム変更したのだ。

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後半18分


高さではついぞ対抗することは出来なかったが、前線に起点がもう一つ出来たことで、僅かながらセレッソらしい速さのある攻めが見られるようになった。2列目が一人減ったことで乾、家長に前へボールを送る意識が出たのも大きいかもしれない。一時は同点に追いついた播戸のゴールも乾を起点に小松が右サイドの突破に成功、折り返しを播戸が点であわせた見事なもの。乾のパス、小松のスピードと良い意味での強引さ、播戸のストライカーとしてのテクニックと精神力、それぞれのストロングポイントが噛み合ったいいゴールだった。

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このまま引き分けに終わっていれば、セレッソにとってはまずまずの結果と言えたのだが、勝負の厳しいところかすぐさまディエゴに決勝点を許してしまう。丸橋と上本が2列目の位置にいたプレーヤーへの対応で重なった動きをしてしまい、上本がマークするべきディエゴを一瞬放してしまった。丸橋がパスの出し手にしっかり詰めていればよかったのかもしれないし、上本がディエゴを外さなければ避けられた結果かもしれないが、連携もままならない中での致し方無い結果だったと考えている。二人の間にもっと信頼感があったなら、あの動きは無かったはずだ。


失点後、時間はまだ少なからずあった。本来なら同点、逆転を狙うべきなのだろうが、残念なことに攻めゴマは使い果たされていた。丸橋を一列上げることが自殺行為なのは誰にでも判ること。完全に手詰まりだった。最後の交代は酒本、下がるのは尾亦、高橋が左サイドに回るという特異なカードの切り方。

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後半38分


恐らくこの交代はこの試合だけを見越した交代ではなかった。酒本は石神以上に出場機会が無く、実戦から離れていたし、尾亦もいいパスが出なかった不幸はあるにせよ、決していい出来ではなかった。高橋の左サイドがどれ程のものか判断できるほど時間は残されていなかったが、経験値がゼロよりもいくらかマシなはず。意味が薄いと言われれば耳が痛いが、あの時点で時間を無駄にするよりかは、いくらか意味はあった。


今のセレッソはピッチの中も外もいい状態ではない。マルチネス、アドリアーノ、清武、屋台骨を支えるはずのプレーヤーが多数離脱しているし、香川がいなくなった後のシステムも明確に固まっていない。そんな中で水曜日、土曜日と過密日程が組まれているのは辛い。勿論勝利するに越したことは無いが、今は我慢の時期ととらえている。

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