5/03/2010

万正オモニの不思議な箸。

家の近所、猪飼野コリアタウンの外れに、お好み焼き好きの方に有名なオモニというお店があるのですが、その隣にも名店が。万正(まんまさ)という名前の焼肉店。決して小奇麗なお店ではないので女性だけでは厳しいかも知れないですが、ちょっと頑張ってでも食べに来てほしいお店です。久しぶりに義弟くんが帰ってきたので、昨日は宴席。そちらにお肉をいただきにいってまいりました。GWということもあってか遠方からのお客さんがたくさんいましたが(生野の人間と他のトコの人間ってオーラが違うんですぐわかるんですよ)しばらく待っていると無事にテーブル席にありつけました。

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極上の塩バラです、携帯しか持ってなかった(^_^;)


とりあえずお任せコースを頼んだのですが、久しぶりの万正、そのうまさを再確認しましたね。レバ刺しはうまい、ユッケもうまい、タン塩はニンニクダレがガツンと来るし、塩バラは舌の上でとろけるし、ホルモンも正肉もどれも最高でした。店員さんに「そんな急いで食べなくてもいいですよ」と言われる程にガッツいていました。

そんな万正にはもう一つ(一人)名物があるんです。店長さんのお母さん、通称「オモニ」。一瞬浜崎あゆみかレディー・ガガかと見紛うド派手な出で立ちと、歯に衣着せぬ堂々とした物言い、そしてお肉とお客さんに対する温かい姿勢で沢山の焼肉フリークをファンに持っています。

そのお母さん、時折テーブルを回ってはお肉の焼き方、見極め方を黒く焦げた、これまたトレードマークの菜箸で指導してくれるのですが、その姿には見惚れてしまいました。

「これな、こうやってな、ここや!」

「またひっくり返したらアカン!」

「にいちゃん、これ、いけてるわ」

時に厳しく、時に優しく、肉の加減を見計らってくれるのですが、オモニが焼いてくれるお肉ってオレらの焼いた肉と全然違うんですよね。自分で焼いてても十分にうまいんですが、オモニの肉はまず見栄えがいい、焦げたりしてないし、独特のテリがあって、何ていうかすごく「色っぽい」お肉になってるんですよ。当然食べても全然違う。肉汁はしっかり閉じ込められてるし、タレとの絡みもピッタリだし、何もかもが完璧で、さすがに何年もお店の切り盛りしてないなって感じでした。

よく素材の味を生かすって言葉を聞きますが、それはただ単にシンプルであればいい、そのままでいいってことではないのかもしれないです。何気にとったお肉、サイコロに切ったバラ一つでも、よく見ないとわからない隠し包丁がキチンと入っていて、それが歯ざわりや味を良くしている。そういう仕事が過剰にならないギリギリの位置が、素材を生かすというポイントなんだなと再確認したように思います。


このブログは基本サッカーブログなんで最後は何でもサッカーに落とし込むんですが、普通の会社の組織論みたいなものにも通じるかもしれないです。「個を生かす」というのは何もタレントにポジションだけ与えて、「さあ好きにやって下さい」って意味じゃない。最低限相手になぜここにいるのか、何をすべきなのかを(出来れば自発的に)気付いて、動いてもらう。そういうことなんじゃないかと。そうしないとせっかくのいい素材でも持ち味が十分に出ない、それって悲しいですよね。AZUKIの店長さんも「素材の持ち味を生かす」タイプですが、最低限の仕事をして、料理を出してほしいですね。

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