得点者
前半28分 枝村 匠馬(C大阪)
後半5分 枝村 匠馬(C大阪)
後半8分 佐藤 晃大(G大阪)
後半17分 佐藤 晃大 (G大阪)
勝てた、かな。0-2になった時に受け身に回らず、しっかりとパッチしていれば、こんな結果にはならなかったかもしれない。消化不良の試合と局地的な豪雨で身も心も凍えそうになった。
両チームのサポーターともに、ダービーということもあるし、残留争いのまっただ中ということがあって、絶対に勝ちたいと願っていたし、そう信じて応援してきた。試合前も試合中も、ずっと強い気持ちをぶつけてきた。
けれども、ガンバの3枚めの交代は二川を下げて守備的な金正也投入。セレッソも3枚めは播戸ではなく、舩津だった。松波、ソアレス両監督は、サポーターが思っている以上に堅実な選択をした。
その瞬間、勝ち点を1ずつ分けあってもいいかという空気が、大きな雨粒に混じって万博に降りてきたのを感じた。それはスタジアム全体を覆って、両チームの応援も、不完全燃焼になってしまった。
話を試合の開始まで戻そう。スタメンとベンチは、セレッソの苦しい台所事情をそのまま表現したような組み合わせ。
児玉は移籍後初出場が初先発で、しかもダービー。中盤に至っては横山以外全員途中加入で、枝村、シンプリシオが3試合目、ヘベルチなど移籍後即先発だった。
これだけ急造のチームなのだから、連携など望めるものではなかった。
それでも、そんな中でも、選手は個々人でできるベストを尽くしてくれたと思う。 突破は独力だけで、守備はファウル覚悟だけれども、なんとか体面を保てる内容になっていた。
枝村の最初のゴールは向こう側で全くわからなかったけれど、押されていた時間帯の、ただ一度のチャンスで、よく決められた。
攻撃でアクセントになったのはシンプリシオの散らしと、ヘベルチ、枝村の関係性。
ヘベルチは左利きなので、左にいればサイドをドンドンと突破していくし、枝村と左右入れ替われば今度はお互いが中に入ってくる選択肢を持つ。ポジションチェンジを多用することで相手に捕まらず、ガンバの守備を押し下げることができた。
後半の2点目も中に入っていく枝村が抜けだしたいい形。ここまでチャンスはこの2度きりで、それで0-2なのだから、ツキはこちらにあった。
しかしこのすぐ後に不用意な失点をしてしまって、相手の戦意を煽る結果になってしまった。
あと、これは現地で感じたことなのだけれど、ボランチの位置まで下がったガンバの選手、これに誰がつくのか、はっきりしていなかった。それで守備の一手目がまずくなって、受け身になっていた。たいていは遠藤がその役割りであったので、始末が悪かった。
リーグ戦アウェーの鹿島戦も柴崎をフリーにして背走する場面が増えてから逆転されてしまったけれど、あれと同じような形。ヘベルチ、枝村のラインで止めるのか、柿谷、ケンペスが行くのか、はためにはわからずじまい。
この状態は2失点目以降も続いていて、あそこで攻め駒(パウリーニョのような純粋なスピードタイプのFW)を追加されていたら、もっと酷い流れになっていたろう。
家長は相変わらず素晴らしい選手。けれど、あの場面で使うべき存在だったか?セレッソとすれば汗かき役の倉田が下がって命拾い。
あと、長居でのナビスコ鹿島戦でもあって、この試合でも修正できなかったポイントがある。シンプリシオが入ったことで緩慢になっている守備組織の構築。
シンプリシオの持ち味は勘所にいるポジショニングの良さとプレーの正確性で、お世辞にも運動量豊富だとか、そういうプレーヤーではない。
だから中盤で不用意なボールロストをすると、カウンターを食らった時の戻りが遅かったり、守備組織自体が存在していなかったりする。後半にパスの出しどころに対するプレッシャーがゆるくなって、攻撃も上手くカットされるようになると、その傾向は顕著になってしまった。
シンプリシオは味方が運動量をカバーしきれている時は存在感があるのだけれど、スタミナ勝負になると厳しくなる。これをどうしていくか。
リードしていたらシンプリシオを下げてしまうか、最初から1列上げるか、それともボランチの枚数を増やすか。いずれにしても、今のままでは何点とっても安心できない。特にレアンドロのような狡猾なストライカー、遠藤のようなレンジの長いパスを出すキッカーがいるチーム相手では。
消化不良のダービーが、このあとセレッソ、ガンバ両チームにとってどんな意味を持つのか。
セレッソは、とにかくやらなければいけないことがたくさんある。新戦力と、オリンピックから戻ってくる山口螢、扇原、杉本をどう融和させていくのか、システム、約束事は今のままでいいのか。監督の決断力、判断力が試されている。
これをうまく乗り切った時、その時は、間違いなく素晴らしいチームができているはず。サポーターとしては、それを信じて、前を向いて応援していく他ない。煮え切らない気持ちを、次の試合に、残りのリーグ戦にぶつけて行こう。
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