後半20分 山口 螢(C大阪)
後半32分 柿谷 曜一朗(C大阪)
今日はどんな形でもよかった、ただ勝ちさえすれば。しかし、今まではその「ただそれだけのこと」ができなかったわけで、お尻に火がついてようやくその気になったセレッソには辟易する。
まあ、どんな勝利でも嬉しいことには変わりないけれどね。
スタメンとベンチ。スターターの右サイドバックに守備とスタミナに長ける高橋大輔が入るが、他は同じメンバー。ベンチでは入れ替わりで酒本、ボランチの控えは黒木。
前半の立ち上がりから、セレッソはずいぶんと飛ばしていた。明らかにオーバーペースで、何が何でも先取点がほしいという雰囲気がありありと伝わってきた。
それでもベテラン揃いの横浜FMは堅く老かいで、なかなか攻め切ることができない。
一方、守備に関しては前節とは見違えるほど整理されていて、相手も決定機は殆ど無かった。これは、螢とタカ、それにシンプリシオの関係がよくなったことが要因。
この3人は、基本は右から螢、シンプリシオ、タカ。しかし彼らは場面場面でめまぐるしくタテヨコのポジションを変える。これがかなり興味深かった。
例えばボールホルダーに一番近いところに螢がいれば、どの位置であれ螢が詰めていく。当然右サイドが空くけれど、その時はシンプリシオがスライドしてスペースを埋め、後ろにタカが下がってバランスをとる。
タカが近ければタカが出張ってシンプリシオが下がるし、シンプリシオが上がればタカと螢は後ろをケアする。そんなことを90分間続けていた。
この複雑な動きのおかげか、中盤でのマークが少し緩んでいて、高橋大輔が上がる時間と空間が作れたり、なかなかおもしろい形ができていた。
しかしボランチ、セントラルハーフタイプのプレーヤーが3人いて、枝村は左サイドのケアを優先していたので、前の二人、柿谷とケンペスはキツイ仕事をするハメになった。前半の終わりくらいにもうケンペスの動きが鈍化していたけれど、これは彼個人の問題とプラスして、このシステムの弊害を食らったからだ。
柿谷はそんな中でもよく動いていた。前線であれだけ追い回してくれれば、後ろは相手の動きを読んでボールを奪える。「攻めて奪う」守備が久しぶりに見られた。
得点こそ無かったものの、自分たちの流れのまま、後半に入ることができた。そして横浜FMも流れを掴み切れないままなのに、動きを見せることがなかった。この後手の対応にも助けられた。
さて、今日の得点は2点とも相手の不用意なパスミスからのものなのだけれど、これは前述の「攻めて奪う」がいい形で現れたものだ。
「攻めて奪う」というのは、平たく言うと「敵のゴールに向かってボールを奪う」ということ。 ボールを奪ったその瞬間から攻撃が始まるからカウンターになりやすく、相手を崩しやすい。相手のパスやドリブルを読んで動かなければなかなか決まらないけれども、これができればゴールまではかなり近くなる。
ドゥトラを追い回してボールを奪った螢のプレーはまさにそれで、読みきってボールをカットし、一人でゴールまでつなげた。
柿谷の2点目も、横浜FMのバックパスがある度にあの位置まで戻り、狙い続けていなければ生まれていなかったゴールだ。
それは、贅沢を言うなら相手をきっちり崩してのゴールも見たかった。けれど、この試合に求められたのは結果だけ。なら、これでいい。これでも十分だ。
一応、少し不安だったことも書いておこう。茂庭とケンペス、それに健勇。
茂庭はこの試合も身を粉にして守備に奮闘していたけれど、足をつってパンク、後半途中で山下にバトンタッチすることになった。
後半27分 |
後半36分 |
時間が少なかったのと、ミスからの失点で意気消沈していたこと、それに審判にも助けられて失点はなかった。けれど、やはり藤本、茂庭のコンビと比べると、バックアップの力は劣ってしまう。もし茂庭に何かあった時の不安はある。
そして、ケンペスがガス欠したまま後半44分までピッチにいたことも、セレッソの厳しい事情を感じる。代わって入った健勇にもポストプレー、体をはって起点を作るプレーが要求されたのだけれど、それがあまりにできなかった。
後半44分 |
高さがあり、やわらかさがあり、健勇はCFとしての素養が十分にある。なのに、結果が出ない。ガツガツとした泥臭さが出れば、セレッソはまた変われるのだけど。
ただ何度も書くけれど、今日求められたものは勝利だけ。セレッソのチームもサポーターも、その役割りを十分に果たした。毎試合これだとパンクしてしまうかもしれないが、せめて気持ちだけでも、このままでいてくれれば幸いだ。
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