前半37分 村田 和哉(C大阪)
後半9分 柿谷 曜一朗(C大阪)
後半23分 ケンペス(C大阪)
後半45分+1 ケンペス(C大阪)
本当に苦しく長いトンネルだった、息苦しくて窒息しそうで。今日この日がなかったら、本当に心が折れてしまっていたかもしれない。フロントが動いた成果が現れたことに安堵している。
スタメンとベンチ、新戦力の充実と柏戦での大敗を受けて大なたが振るわれた。2トップには柿谷と播戸が継続され、出場停止明けのケンペスはベンチスタート。中盤には共に新加入の枝村、シンプリシオが入り、この試合出場停止の藤本の穴を埋めるのは金 聖基。
この試合は蓋を開けるまで全く流れが読めなかった。開幕戦と比べると中盤から前の6人がゴッソリと入れ替わっているのだから、連携がどうなのか、個々人の力量がどうなのかがわかったものではない。
実際立ち上がりは少しチグハグなところがあって、主導権はどちらかというと札幌が握っていた。大島のヘディングなどはキム・ジンヒョンがよく防いでくれた。
流れが変わったのは、やはりシンプリシオからだったと思う。
このボランチは(今のところ)あまりスピードに長けたわけでもないし、広大なエリアをスタミナにまかせてカバーしているわけでもない。しかし要所要所、ピッチ上の勘所には必ずいて、攻守に欠かせない存在になっていた。
守備時には相手の攻撃を阻害するところに、攻撃時にはフリーで受けられるエリアにポジションをとって、ボールを奪い、落ち着けてくれる。一呼吸おいてから優しく正確なボールが配給されるので、両サイドバックや村田、柿谷、播戸はいつも以上にのびのびとプレーできていた。
そして、最初のゴールが生まれる。村田がやってくれた。
村田は今まで右サイドに張ってばかりいて、サイドからのクロスだけしか選択して来なかった。しかし彼の怖さを最大限に引き出すためには、中に切れ込んでいってのパス、シュートがあっていい。今日のゴールなどまさにそれで、自分の殻を自らの手で破ってくれた。
このゴールを切っ掛けにして、札幌とセレッソの精神的な優位性が逆転した。セレッソの選手たちはローマからやって来たピッチ上の指揮官を軸に、いい流れを作り出す。
ソアレス監督の嗜好するサッカーは堅守速攻なのだが、90分間それを続けるのは無理がある。どこかで落ち着く時間が必要で、それにはボールを必ず保持できる信頼感のあるプレーヤーが必要だった。去年まではマルチネスがこなしていた役割を、今はシンプリシオが果たしてくれているということ。ハイボールをケンペスに当てるしかできなかった攻撃のバリエーションが、彼一人が加わることでグッと広がった。
それでもまだ1点差では閉塞感は残ったままだ。磐田戦から数ヶ月、セレッソは複数得点すらしていなかったのだから。一度追いつかれれば、今までと同じ。
このモヤモヤとした気分を振り払ってくれたのはセレッソを背負って立つ柿谷のゴール。後半立ち上がりのこのゴールは切り返しもコントロールも正確で、文句のつけようがない。昔ファン・ソンホンが当時ヴェルディにいた中澤の裏を突き、優しくゴールにボールを流し込んだ、あのゴールを思い出した。
このゴールで札幌の心を折ることができた。後はお祭り。
流れに乗ったのは、後半21から投入されたケンペス。練習でも常にシンプリシオと共に行動しているこのフォワードは、生まれ変わったように生き生きとプレーをはじめた。
投入後いきなりのセットプレーでゴール。
後半21分播戸→ケンペス |
その後柿谷の飛び出しから得たPKを外すのはご愛嬌、試合終了間際にはらしくない(?)冷静なトラップから4点目を奪ってくれた。
後半32分金 聖基→横山 |
後半39分酒本→舩津 |
そしてこのドヤ顔だ。見えないけれど、どんな表情なのかよくわかる。
降格圏は脱し、新戦力も使える目処がたった。それでもその差は僅かなものであり、この安心感はまだ脆い状態だ。
この流れをより強いものにするためには、万博で勝つ、それしかない。あちらもレアンドロが結果を出し、最悪な状態から脱した。難しい試合になるのは間違いないが、だからこそ勝つことの価値は千金になるのだ。
○後半39分酒本→舩津
返信削除ふおお!訂正しておきました。
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