10/24/2004

柏1VS1C大阪 チキンハート!

 スタメンを見ると布部がDFとして登録されていましたが、形はシンプルな3バックでした。フォーメーションは予想通りの形です

3-5-2


 試合開始時から大久保、古橋、苔口、酒本のラインで猛烈なプレスをかけ、高い位置でボールを奪おうという意識がありました。右サイドの酒本はややぎこちなかったものの、全体としては小林政権時でもっともアグレッシブな立ち上がりとなりました。

 高い位置からのプレスの為柏のパスの精度は落ち、布部、駆動のラインでもしっかりとインターセプトすることができます。

 中盤からのプレスが実ったのは前半26分。酒本、古橋、大久保らがダイレクトプレーで柏ディフェンスを崩します。対応に出た大倉の刺客パラシオスは空中戦にこそ絶対的な強さを見せるものの足元に難があり、大久保のシュートを止める事ができませんでした。

 大久保はこの試合得点を取ることはもちろん、ゲームメイクのタメを作ったり、突破の基点になるなどすばらしい出来でした。ゴール後も反転シュートなどで再三柏ゴールに迫りましたが、惜しくも阻まれています。

 その後酒本、ラデリッチというWindows並みの脆弱性を持つ右サイドを玉田が執拗に突きますが、相手のフィニッシュのミスにも助けられ、前半を終えます。


 後半、柏はポストプレーヤーの羽地を下げ、山下ら2選手を投入、徹底的なサイド攻撃を開始します。3-5-2の布陣を取る以上、サイドのケアは避けて通れないものですが、ストッパーの千葉、ラデリッチが精彩を欠き、徐々にウイングが後退を始めます。

 こうなるとペースは柏。そのサイド攻撃からのクロスが起点になり、攻めあがっていた明神がつめて同点。沈黙していたスタジアムが黄色く波打ち始めます。

 いつもならここで集中力が切れるところですが、柳本、布部、久藤のベテラン陣がふんばりを見せます。何とか中央をぶち抜かれるというシーンだけは避けようと必死のディフェンス。久藤、布部は途中でガス欠したものの、今期一番の出来でした。特に久藤は攻守の橋渡し役を十分に務めていました。

 柏ペースの中盤を見て小林監督は森島を投入。疲れの見えた酒本を下げ、左から苔口、森島、古橋という2列目を形成します。しかしそれでも流れは変えられず、柏がボールポゼッションで圧倒する時間が続きます。

 小林監督にはここで二つの選択肢が有りました。あくまでも攻撃的な布陣を変えず、リスクを承知で攻めるか。それとも、守備的な選手を入れて、あくまでも敗戦だけは免れるか…。

 小林監督が採った選択肢は後者でした。西澤を下げてミキ、さらに終盤得点源の大久保を下げて斉藤竜を投入、勝ち点1に執着を見せます。柏の猛攻も耐えしのぎ、何とかプラン通り、同点で試合終了となりました。

 確かに攻撃的な策の方がはるかに成功する確率が低く、その意味では堅実な選択だったかも知れません、しかし、ここでの引き分けは(勝ち点差、得失点差を考えれば)負けも同じです。

 3-5-2ならばある程度チームとして機能するという事がわかった時点で、仮に逆転負けを喫し、入れ替え戦に回っても、勝てるかもしれないという算段がついていた筈です。さらにいえばこのギャンブルに勝てば年間順位最下位脱出の可能性も、ぐっと大きくなっていきます。それをみすみす逃してしまった小林監督の采配は、実に不可解なものでした。

今日のMOM大久保。逆MOM小林。特別賞久藤、柳本。以上です。
 

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