3/26/2006
C大阪3VS1新潟 開花宣言。
結果を取るか内容を取るか、難しい話だ。結果ばかりを追い求めれば、どこかで背伸びした分のしっぺ返しが返ってくる。しかし今のセレッソには、どうしても内容が必要だった。泥臭い先制弾、幸運なPK、御世辞にもナイスゲームとは言えなかったが、ともかく勝ち点3を得た、これが大きい。
スタメンは柳本が左ストッパーとして復帰。適任者探しに苦慮している右サイドは酒本が入った。
試合開始当初は両陣営共に手探り状態だったが、古橋の動きが悪い。固さが有る動きで本来のそれとは程遠い。トラップミスでボールを奪われる事もしばしばで、これは苦労するなという予感がした。
しかしその予感は杞憂に終わる。ゼ・カルロスとピンゴのコンビネーション(このコンビネーションが前半良く映った)でピンゴが左サイドを駆け上がるとセンタリング、新潟ゴール前で混戦状態が起こる。ボールがボックスから流れるとそこに古橋。一度目のシュートはジャストミートではなかったが、野澤の手を弾きゴールバーにヒットする。こぼれたボールは再び古橋の前に。ヘッドで泥臭くねじ込む。これぞ古橋というゴールが、彼にのしかかっていた様々な重圧を跳ね除けた。
先制点後は右サイドの酒本が好調で、何度も「溯上」を繰り返していた。それをカバーしようと新潟の中盤がずれると今度はゼ・カルロスの前にスペースが出来る。下村やピンゴ経由でサイドチェンジすると、両サイドからチャンスがコンスタントに生まれた。酒本は守備でも前田、ピンゴ等と協力して相手の攻撃をディレイさせて貢献。このクオリティが保たれるなら右サイドは暫く安泰かもしれない(もちろん慢心しなければという前提が有るが)。
2点目もサイド、ゼ・カルロスの突破から。左サイドからのクロスを新潟DFがボックス内でハンド、得たPKを自らがきっちり決める。いい流れの中での追加点でスタジアムが沸く。
ハムリンズ体操で身体をほぐして後半戦。ところが早々にエジミウソンの個人技で3人が振り切られ、追撃弾を食らってしまう。新潟とて遠路遥々負けに来たわけではない。空気がピンと張り詰めた瞬間だった。
しかしここからがいつもと違った。ピンゴはガス欠気味ながらその時出来るベストの動きをしていたと思うし(もう少し下村のフォローをしてもらってもバチは当たらないと思うけれど)、酒本はスタンドで観ていても疲労困憊なのに運動量を落とさなかった。ゼ・カルロスは心地良く左サイドをアップダウンして攻守に貢献し、下村は身体を張って守備の要となった。中盤の4人が初めて機能していたのではないだろうか。観ていて嬉しい瞬間だった。
いい流れを切らないように遅らせていた選手交代。最初はもうどうしようもなくなっていたピンゴ。山田が同じ位置に入る。
ピンゴが曲線を描くようにピッチを駆けていたのとは対照的に、山田は激しく直線的な動きで運動量が落ちた中盤とトップを繋ぐ。「ワル仲間」西澤との相性も良かった。やはりボランチが適正なのか。
この交代で中盤の総和運動量が保たれ、ボールポゼッションが上がった。両サイドの前には相変らず広いスペースが有り、古橋と森島は相手ラインを混乱させんと刺激を与え続ける、西澤がボールに触れると、示し合わせたように全体が押しあがる。サポーター達が「手作りの声援」で後押しをし続けていたのだから、うかつに足を止められなかっただろう。
そしてダメ押しは後半終了直前。西澤がボックス右角でファウルを受けてFKのチャンス。
私はこの時去年のアウェイ、FC東京戦を思い出していた。同じような距離と角度。ボールの前には古橋とゼ・カルロスが並んでいたが、間違いなくゼ・カルロス!振りぬいた左足。野澤の手とゴール角の僅かな隙間に、ボールが駆け込んでいく。そこからの記憶が無い。気がつくとゼ・カルロスはチームメイトたちともみくちゃになっていた。今季初勝利を確定させる3点目。
やっと桜が咲いた。泥と汗にまみれて、あまり綺麗ではないかも知れないけれど、今日の花見はなんて楽しく幸せなのだろうか。
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