11/01/2006

ぬ・い・て・きたーっ!(山本浩さん風に)

 あー、ただいま親知らずを抜いてまいりました。もうこれは人生をネタにしている私にとってみれば、格好の機会ですから、麻酔がまだ効いている今のうちにレポートしてしまいましょう。

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 えー、抜歯前に様々な文章を読んでおりますと、抜歯は大体3、40分はかかるだろうということでしたので、長期戦を覚悟して、会社をほぼ定時で上がらせてもらい、少し早めにお医者様に行きました。予約制の上に前の患者さんもすぐに治療が終わった様子で、殆ど待ち時間もなく、診察台に座ることになりました。
 診察台の横には先日撮ったレントゲン写真が。
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 4本ある親知らずの内、他の3本は横に寝そべって穏やかに暮らしているのですが、やはり右上の奥にいる「そいつ」は血気盛んに盛り上がろうとしているようでした。これこれ、隣の歯にひっかかっとるではないか、やめんかい。改めてこれは抜かないといかんなとの思いを強くしましたね。
「よっしゃ、やろか」
 ここで武闘派の先生の登場。先生いつにも増して気合が入っています。オーラが漂っていました。あのケンシロウとかが放っているやつです。
 私が口を開けると、手早く抜歯する部分の歯肉に何かを塗っていきます。口にはリンゴのような爽やかな甘みが広がりました。何だろうと調子にのって舌で舐めてしまったのですが、どうやら「麻酔のための麻酔」だったようで、舐めた部分からピリピリと痺れだし、次第に感覚が消えていきました。ふひゃふひゃ。
 次にいよいよ本番の麻酔の登場。鋭い注射針があちこちにプスプスと刺さっていくのですが、先の麻酔が効いているのか、痛みは殆ど無し。
 そうして暫く放置していると、歯茎のみならずあごの右半分がぼんやりと温かくなり、感覚が消えうせていきます。頃合を見計らって、抜歯開始。
「おう、まだ半分しか出とらんな、厄介や」
「やっかいれふか」
「うん、まあ、やってみるで」
「はひ」
 長くお世話になっている先生なので、ここは信頼。
「はい、じゃあタオルをかぶせますね」
 むむっ!どうやら施術中はタオルで目隠しされる様子。そんなにこわひようすなのれふか?
「ほんだら、いくで、痛くなったりしたら、手を上げてな」
 そういうと先生は気合を右手に充填していきます。
くきっ

 どうやら親知らずをペンチで掴んだようです。

ぐきききっ

 先生、パワフルに引き抜きにかかっています。
くぎっ!ぺきっ!みしみしみし!!

 先生、パワー全開です。歯が砕けそうです。それから私の唇を支点に使われると少し痛いです。
ぺきりっ!

 何かが砕けたような音がしました。人によっては歯を裁断したりして何回かに分けて取り出すことも有るようですから、最初の破片が取れたのかも…。
「よっしゃ、抜けたで」
「ふへ?」
 先生の闘気が抜けていくのが判ります。判るんですよこのオーラは。明らかに一仕事終えた感覚。
 まさかなぁと思い目隠しを取ると、今まで私を悩ませていた「そいつ」は金属製のトレイの上で、寂しそうに転がっていました。
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歯根から見るとかなりグロテスク

 おおっ、先生一発で抜けたのかい!スゲー!!本気で感動してしまいました。施術開始からここまで約15分。ネットで40分くらいかかるって書いてたよと言ったところ。
「こんなもんやで、ややこしいのは2時間とかかかるけどな」
 とのこと。いや、この先生すごいわ。治療する側もされる側もすごく体力使うけれど、それに見合うだけの効果をもたらしてくれる。
 さらにびっくりしたのは診察料。やはりネットで五千円くらいかかるよと書いてあったので、覚悟していたのですが
「1500円で~す」
 やすっ!!他の施術も大抵かなり安いのですが、こんなにややこしい施術でもこの価格ですか、DELLじゃないんだからさ。
 というわけで、もっと痛いだの苦しいだの高いだの、不平不満と痛みの実況中継をしたかったのですが、見事にすかされてしまいました。今麻酔から2時間半くらい経って、少し疼き始めていますが、それでも何の支障も無いくらい。いやはや、びっくりしました。
追記
 セレサポの歯医者さんからメールを頂きました。親知らずの抜歯はいろいろなケースがあるので、治療費にも幅が有るそうです。二時間も格闘して抜歯したのとものの一分で抜いたのとが同じ治療費というのも、考えてみればおかしな話ですよね。なので5000円かかったから不当に高いとか、そういう誤解の無いようにお願いします。私はたまたま抜きやすいケースだったみたいです。

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