11/24/2006

C大阪1VS1名古屋 無策。

 名古屋が前半に退場者を出したところまではいい流れだった。しかし11対10になったことで、名古屋はチームコンセプトが明確になり、逆にセレッソは選手間の歩調が乱れてしまった。結果としてこれが仇になり、みすみす勝ち点3を逃してしまった。

 3バックかと思われたセレッソだが、名古屋の3トップ対策として、久々に4バックで臨んだ。ただ以前の4バックとは違い、ゼ・カルロスと古橋は中に絞り気味で、大久保はやや下がり目、また山田は左サイドの山崎よりも果敢にオーバーラップを繰り返す、変形の4-2-2-2といった感じの布陣。

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 これだとゼ・カルロスは必ず山崎という「安全弁」がつく為、攻撃に専念出来るし、山田がサイドを上がる分古橋も得意とする位置でプレー出来る。そこから西澤に当てて大久保などという連携も生まれる。

 しかしセンターバックの二人に関しては、どちらも4バックでは生きてこない様子だった。江添はやはり3バックの真中が適職だし、前田もそういうサポートが無いと肉弾戦に持ち込めない。ここが試合のポイントだった。


 前半、この布陣での攻撃に関しては、上記のようにかなりかみ合っていた。特に古橋、大久保、ゼ・カルロスと、個性派が揃った2列目は面白い組み合わせだった。名古屋が中盤のレギュラーを全員欠いていたとはいえ、しっかりと形が作れていたと思う。西澤のゴールもそうだったし、大久保が飛び出しから楢崎と1対1になる場面もいい流れの中で生まれた。

 その上前半で数的優位をつくったのだから、後は無理をせず、ひたすらボールポゼッションを上げて相手のスタミナを削り、弱ったところでトドメ、これでよかった。


 それが出来なかったのは、唯一ミスマッチだった江添と前田の不安定さ故。ボール回しにしても、相手のロングフィードにしても、とにかく処理がおぼつかない。江添はこの試合何度ヨンセンにボールを当ててしまったことか!布陣を変えても、それに適した選手が揃わないところに、今のセレッソの苦しみが有る。

 同点にされたシーンではそれに加えて吉田との連携ミスも重なった。偶然ではなく、必然の結果。それ以外にも後半キーパーまで交わされ、あわや逆転かというシーンも有った(山崎が必死のクリアで掻き出してくれなければどうなっていたか…)。


 後半になると、名古屋は確実に勝ち点1を狙いに来た。長身のDFを揃え(一番低い秋田でも180センチ)ヨンセンを残してべた引き守備。奪ったボールはシンプルに早くという戦術を徹底させて来た。

 それに対してセレッソは名波を投入し、3バックに変更、慣れた形で1点を取りに行く。

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 これで後ろはある程度安定した(それでもおっかなびっくりだったが)ものの、今度は攻めがまるで機能しない。過渡なセーフティーファーストの意識がプレーを萎縮させたか、チャレンジせずに、横パス、バックパスというシーンが目立った。

 もしここで単独でも無理やりでも、果敢に突っかけていく選手が一人いれば、名古屋としては嫌だったと思う。スピラールは高さに関しては西澤が全く仕事が出来ないほど圧倒的だったが、足元に入った時に若干付け入る隙があった。他の長身選手もパワーは有ったが、クイックネスに特筆すべきものは無かった。例えば古橋を右サイドの置物にするのなら、トップ下は古橋のままで徳重を右サイドに入れてもよかった。積極性が戻っているなら苔口という手もアリだった。

 しかし実際にピッチに立ったのは河村と柿本だった。

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 柿本に関しては、西澤が痛むという緊急事態に対するパッチだったので、致し方ない部分もあるが、河村に関しては全く仕事が出来ていなかったように映る。縦に強引に突っ込むプレーを期待されていたのだと思ったのだけれど、いざ入っても何をするでもなく、横パス、バックパスの中継地が増えただけだった。
 
 攻めのレパートリーも少なく、漫然と足元のパスを繰り返すばかりでストレスが溜まる時間帯が続く。空中戦で不利なのに山なりのクロスを入れたり、コーナーキックを雑に入れたり、とにかくこの局面を打開しようという意識が希薄に感じられた。


 こんな試合で勝ち点が増えたのだから、今回はむしろ幸運だったのかもしれない。そう気持ちを切り替えなければ、次の試合はもう明後日に迫っている。

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