4/16/2006

C大阪0VS0福岡 花散らしの雨。

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 開幕するまでは、今の時期からこんなサバイバルゲームをする事になるとは、想いもしなかった。季節外れの氷雨が体温を奪う。

 スタメンは温存していた西澤、森島、柳本らベテラン勢が復帰。ナビスコ杯名古屋戦のメンバーからは柿本、ピンゴ、藤本が抜けた。

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 立ち上がり早々からチームの動きが鈍い。ナビスコ杯から中二日という事を差し引いても運動量が無い。チームの根幹とも言うべきポイントが不調では攻守がかみ合わない。

 攻撃に関して言うと、追い越す動きやスペースを突く動きが少ない上に、連動性まで欠けていた。その結果ボールホルダーが次の動きを思案している間にプレスを受け、止む無くバックパス、というシーンが目立った。森島が時折右サイドでそういう動きを実践していたのだけれど、続くものが殆どいないのでは分厚い攻めは期待できない。

 守備でも個々人がバラバラにプレーをするので、無駄に体力を消耗していたように映った(特に山田と下村)。一応早く帰陣する事を第一にしていたようだが、その事に集中するあまりボールに圧力をかけず、福岡のカウンターとセレッソDFの戻りがほぼ等速になっている時も有った。

 そんな状態なので、いつもギリギリのプレーでしかボールを奪えないし、仮にボールがとれても、攻撃に移るだけの精神的、肉体的余裕が無い。横パスやバックパスで体勢を整えなおしているうちに、福岡は悠々とポジションに戻っていた。無理にそこを突破しようとするとまたカウンターを食らうという悪循環。


 それでも失点をしなかったのは、福岡の決定力不足と、昨年後半に観られた守備意識の復古の為。とにかくゴール前に人数をかけ、危険なエリアに入らせない、もし入られたら出来る限りシュートコースを消す、という感覚が僅かながらも復活してきた。前述のようにカウンターなどでは相変らず危ないシーンが有ったが、遅攻の場面ではある程度跳ね返す事が出来ていたように思う。

 キーパーソンは河村。攻撃に関してはクロスの精度やキープ力に難が有るものの、とにかく失点を抑えるというチームコンセプトにはマッチした人選。相手左サイドのアレックスをケアするという意図も当たっていた(私がそれに気付いたのは後半酒本が出て来て両者を比較できたからなのだけれど)。


 実入りの無い前半はスコアレス。後半に入ってどういう采配を振るうのか注目していたが、小林監督の採った選択肢は点を獲りにいく為の積極的な交代だった。

 まず20分過ぎに酒本、その直後に徳重を入れ、サイドの攻撃に厚みを持たせた。

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 まず酒本。いつもの様に果敢に右サイドを「溯上」するものの、相手左サイド(アレックス)との勝負にことごとく敗れてしまった。コンディションが悪かったのか、相手が一枚上手だったのかは判らないけれど、そんな時は内に切れ込んでみるとか、簡単に叩くのもアリだと思う。勿論一番の持ち味はドリブルだけれど、こういう時引き出しが多いと大崩れしないですむから。

 左サイドの徳重はビンゴ。こちらはドリブル、パス、内に入る、外に広がる、多彩なプレーで攻撃を活性化させた。事攻撃に関しては貢献度はゼ・カルロスよりも上だった。特に後は中の選手が合わせるだけだった切れ込んでのグラウンダーは秀逸(それ故に外した選手(古橋か柿本か)への落胆は大きくなってしまったけれど)。


 そう、惜しまれるのは古橋。毎度ゴールを決める度「ここで吹っ切れてくれれば」と願うのだけれど、その次の試合に限って何処か重い。貪欲にラインを刺激する機会も少ないし、ビッグチャンスをモノに出来ない。この試合両軍最多の5本のシュートを放っていたが、ついぞ一本も決めきれなかった。厳しい試合が続くけれど、それでも小林監督が使い続け、キャプテンを任されているのは、将来のセレッソに彼が無くてはならない存在だから。それを意気に感じて欲しい。


 個人的にもう一人、後半32分、最後に登場した柿本にも頑張って欲しい。

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 パワープレー用員、西澤のバックアップという立場ではあるけれど、柿本にはそれ以上の可能性がある。西澤のようにきれいなプレーは出来なくても、西澤が出来ないようなプレーが出来る。ラインのウラをとる事もその一つで、古橋が追い越す場面が希少な今のセレッソには、貴重な武器。こちらも一つ決定機を逃してしまったけれども、及第点のプレーをしていた。


 スコアレスドローはとかく疲労度が増してしまうけれど、守備ではリーグ戦初完封という結果が残ったし、必要なオプションである西澤、柿本の2トップも練度を増している。広島、京都から確実に勝ち点を奪う下地ができた事が、今日の収穫だろうか。


 

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