悪童が帰ってきた。長居に帰ってきた。短い間だったけれど、嘉人にもいろんな事が有って、セレッソにもいろんな事が有った。それを考えると、とんでもなく長い時間だったかも知れない。
最初帰国した時は、もっと外国のチームでやった方がいいと思っていたし、今回の復帰が、最良の結果だとは思わないけれど、やっぱり桜色のユニフォームに身を包んだ嘉人を見ると、理屈抜きに嬉しく感じてしまう。
都会で過ごしていた放蕩息子が、突然何も言わずに帰ってきた時の親父のような気持ち。変な例えだとは思うけれど、それくらいしか思いつかない。
「なんで帰ってきたんだ!」
「成功するまでウチの敷居はまたがないんじゃなかったのか?」
志半ばで帰ってきた時は、そう言って突き放そうと思っていたのに、目の前で黙々とメシを食ってる息子を見ると、そんな事忘れてしまう。元気で良かったとか考えてしまう。アマい親父だ。お帰りとは言えないけれど、前みたいに、いや、前以上に暴れてほしい。それでこその悪童じゃないか!
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