6/05/2006

ナビ杯準々決勝第一戦 C大阪2VS5千葉 グダグダでクタクタ。


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 ストレスばかりがどんどん溜まる、苛立つ、腹立たしい試合。爽快感など何も無い、そんな試合。2-5というスコアだけ見ても大概なのだけれど、それ以上に怒りを覚えた試合だった。

 誰に、どこに、何に腹を立てたかをロジックに書くのは難しいけれど、気分を出来る限り平静に保つ努力をしつつ、試合を振り返る。

 「サプライズ」はピンゴのボランチ起用だった。3-5-2の体裁をとっていたけれど、守備の際は両サイドは3バックの横まで戻り、古橋も時折森島寛のラインまで下がっていた。

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 どうして今更ピンゴをボランチで使うのか、甚だ疑問だったのだけれど、この試合の1点目はそのピンゴだった。前線に切り込んで西澤とのワンツーでゴール前のスペースへ、ドンピシャヘッド。

 これでいい流れが出来るかも、ピンゴのいいプレーが見られるかも。淡い期待をしていたものだけれど、本当に簡単に、その想いは霧散してしまった。

 5バックと言ってもいい位置まで両サイドが下がるので、森島寛、古橋、下村、ピンゴの位置で負荷がかかる。それは織り込み済みのはずなのだれけれど、それにしてもアンバランスだった。結局ボールの出し手がフリーなのでラインの裏だとか両サイドのスペースに綺麗なパスが通ってしまう。これでは上下動が激しいウイングはたまったものではない。ハースに押し込まれた同点弾も下がってつめていたはずのサイドを綺麗に破られてのもの。

 しかし1-1のタイブレイクで前半を折り返せたのは幸運だったのかもしれない。兎に角千葉の攻撃の精度が高い。しっかりリスクマネジメントした上でのチャレンジを何度も仕掛けてくる。吉田が飛び出してゴール前ががら空きというピンチも有ったが、そこは柳本が体をはって止めた。


 そして後半、この後半こそ、苛立ちの全て。

 西澤と斉藤の小競り合いが、全ての始まりだった。普通ならプレーを止めて両者に注意、それで済む程度のプレーに、松尾主審が用意していたのは赤と黄色のカードだった。西澤一発退場。斉藤にはイエローカード。これで試合が一気に荒れだした。

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 遠目で見ても松尾主審はヒステリックなジャッジを繰り返していた。どちらかに偏向していた訳ではなかったのが救いだったが、あれだけ一定でないジャッジに合わせていては観ている方さえ疲弊してしまう。

 古橋が意地で勝ち取ったPKは、勿論議論の余地の無いPK。でもあれがPKなら、千葉にもセレッソにももう一本ずつぐらいPKは有った。千葉側が西澤の退場の辻褄を合わせたと感じても不思議ではない。


 しかし、兎にも角にも勝ち越せた。セレッソ側はこれでいけるという手応えを感じていたはずだ。数的不利は無くなり、1点リード、そう感じた事に批判は無い。

 ただセレッソはこれが慢心に変ってしまった。千葉はそんな状態でも気持ちをキッチリと切り替えられた。この時点で「悲劇」の前奏曲は書き上げられていたのかもしれない。


 10対10になって出来たスペースを千葉の両サイドが丹念に突いていく。意に反して守勢に回るセレッソ。喜びも一瞬、あっという間に同点に持ち込まれてしまう。リードしていた時間は5分足らずだった。

 こんなはずではない、焦りが柳本のミスキックを呼ぶ。ゴール近くでの致命的なミスで、逆転を許す。立て続けの失点に耐えうるだけのメンタリティを持っている選手など、今のセレッソにはいない。精神的支柱となるべき森島寛は同点弾を浴びた直後にピッチを去っていた。

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 あとはもう、泥縄だった。勿論千葉の攻撃のクオリティの高さを褒め称える必要は有るが、勝ち越された後のセレッソのプレーは、何処かちぐはぐで、また淡白なように感じた。焦って前に出続けるブルーノ、ボールが来ずに孤立する柿本、ピッチをさ迷う古橋、そこにチームという体は無く、ただ同じユニフォームを着た9人がいるだけだった。

 4点目、5点目、何を書く必要が有ろう。殺伐とした空気の篭るゴール裏、諦めムードのSBスタンド、意地の一撃を信じて声を出し続けた者もいたが、彼等に対する見返りは重い現実だった。


 選手交代で後手を踏んだ事も書いておかなければいけない。西澤、森島寛、山田、古橋、必要だと感じた選手からピッチを去っていく。最後にキャプテンマークを撒いたのは下村だったけれど、彼は何も成す術が無かった。

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 もう一つ、この試合で印象に残ったシーンが有ったので、書き残しておこう。試合後、選手は勝ち負けに関わらず、南のファミリー席からSB、そしてゴール裏を回ってサポーターに挨拶をする事になっている。その様子がオーロラビジョンに映されていたのだが、ピッチにいた選手の後ろから、ビブスを着たままの控えの選手達が酷く億劫な様子でやって来た。遠目から見てもスタンドに近づくのを嫌っている様子が良く判った。

 そんな彼等を、柿本が恐ろしい形相で睨みつけていた。ひょっとしたら何かしてしまうのではないかというほど、冷たい目だった。

 あの表情一つで、チームの中が良くない状態だというのが理解できた。そこから再構築しなければいけないのかと、暗い気持ちになった。負けて尚ヘラヘラと笑われるよりは、いくらか救いはあるのかもしれないが。

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