6/01/2006

はてさてドイツ戦。

 勝てた試合かもしれないし、負けていたかもしれない、なんとも言えない試合でしたが、負傷者が出た事を除けば、満足出来る試合でしたよ。というのも、この試合における日本代表の最重要ミッションが、相手より1点でも多くとることではなく、ワールドカップ本大会に出場する「本気モード」の強豪国相手に、どこが通用して、どこが通用しなかったかを確認することだったからです。


 まず、通用したところ。早いリズムでのパス回し。ドイツの守備が高い位置まで上がっているのにズブいという状態だったのも手伝ってはいましたが、ワンタッチのパスを繋げると、このレベルでも後手を踏む。これが判っただけで自信になる。サイドに流れて相手をつり出してから中の選手に、という形もいいチャンスを作れてた。

 それから不安視されていたFW陣が案外いけていたのも、大きな収穫。高原は勿論良かったんですが、柳沢の親和性というか、そういう部分が良く出ていたように思います。どのタイプのFWと組んでも相手の長所を引き出せる、改めてその稀有な能力を確認できました。

 大黒だって二度有った決定機を決めきれなかったものの、少なくとも裏への飛び出し、一瞬の瞬発力が有効なのは掴めました。二つ目、中田英の折り返しを流し込もうとして相手DFに潰されたシーンはレフェリーによればPKかもしれないですしね。玉田に関しては、まあ次(マルタ戦)に期待という事で。


 反面フィジカル勝負になるとキツイなというのは、もうどうしようもないですね。私が宮本を批難すると必ずガンバサポから反応があるんであんまり書かないようにしているんですが、やはり何か書きたくなる出来でした。もし中澤が好調ならカバーも出来るんでしょうが、単純な1対1の競り合いは辛い。

 まあだからといって空中戦に強いDFばかりを並べろなんて事は言いません。宮本にしたって求められているものは別の部分、チームをまとめる能力や試合の流れを読む力だったりするわけですから。中田英だって、ああやってがなるのは宮本が「打てば響く」存在だからなわけですし。今のチームは宮本のチームですよ。


 そして最後に、何よりまだまだと感じたのは、チームも外野も「善戦」で満足しているところ。書き始めと矛盾するかもしれませんが、2点リードを追いつかれのドローなんですから、浮かれるより前に、まず何がいけなかったのかを検証するのが先でしょう。そして次に負傷者の穴をどう埋めるかを考える。「いい試合だったよね」と言うのは、それからでしょう。三都主がコンフェデのブラジル戦を振り返って「(同点に追いつかれて)慌てるセレソンを見れて面白かった」なんて言っていましたけれど、「面白い」なんて言えるのはリードしてからじゃないですか。


 次のマルタ戦は、いわば勝利する為のメンタリティーを確立する試合。ドイツ戦とは毛色が違う試合です。この試合は必ず勝って、心身ともに万全の体制で本戦に臨んで頂きたいです。


 

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