その後結婚することになる彼女と、二人で傘をさして(その時は観戦マナーが全然なっていなかった!)肌寒い芝生席での観戦。その試合のお目当ては、一人のゴールキーパーでした。
「ほら、あれがジルマールいう、ブラジル代表のすごいゴールキーパーやで」
極東の小さな島国の、そのまた片隅の小さなスタジアムに、アメリカでW杯を掲げた男がいました。
しかし試合では雨でスリッピーになった芝に悪戦苦闘。ボールを2度もファンブルしてしまいました。
「ほんまにすごいのん?」
と、いぶかしげに見る彼女に、返す言葉も無かったのを覚えています。
しかし、その後の試合では、さすがセレソンと思わせるプレーで、私達を喜ばせてくれました。一試合に一回は「ジルマールでなければやられていた」というシュートを止めてくれました。
引退試合が鹿島の優勝がかかった試合であったため、満足なステージを用意できなかったのは残念でしたが、カタコトの日本語で、精一杯サポーターへの感謝を伝えていました。
引退後にはブラジルで代理人として活動しているジルマール。今回の外国人選手獲得では本当に尽力してくれているようです。ボランチ、サイド、センターバック。セレッソのウィークポイントに3人の選手を選りすぐってくれました。
デイリースポーツ
C大阪 クアドロスを獲得
J1のC大阪が、ブラジル・クルゼイロのDFブルーノ・クアドロス(27)を獲得することが28日、決定的になった。大筋で合意しており、年明けにも発表される。
(中略)
また、ブラジル・コリンチャンスのMFファビーニョ(24)の獲得もほぼ決まった。
ファビーニョの評価はブラジルでも高いらしく、日本への移籍は驚きをもって伝えられたそうです。もしジルマールが彼の代理人でなければ、この移籍は実現しなかったかもしれません。
かつてセレッソのゴールマウスを、その鋭い反射で堅守してくれたジルマール。彼がこれだけセレッソを愛してくれていた事に、心から感謝です。
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