ああ、川崎戦か。憂鬱な気分。掴みかけた栄光を、このチームがさらって行ったんだ。小雨の降る長居スタジアムのピッチに、モリシは座り込んだまま涙した。
私はずっとシートから立てないでいた。立ってしまったらあのシュートが決まった事を認めた事になる。セレッソがステージ優勝を逃した事を認めだことになる。だから立てなかった、立ちたくなかった。
あれから5年、月日は廻る。あの時セレッソのゴール前にいた下川も今ではフロンターレのメンバー。開幕当初は正ゴールキーパーだった(その後プレーの不安定さからその座を譲ったようだけれど)。
リベンジ、というには少々物足りない両チームの状態ではあるけれど、むしろそういう時だからこそ負けられないという見方もできる。
フロンターレは前節から負傷の中村に代えて原田が入り、左ウイングにはアウグストが濃厚。この二人はフリーキッカーとしても高い能力を持っている。ゴール前でのファウルは厳禁。
そういう意味で嫌な存在になりそうなのは個の力で突破していくジュニーニョの存在。彼を止めきれずファウル、セットプレーで失点というのは避けたい。
こういう存在を無力化させる方法は二つ。相手の能力を凌駕する存在をマークにつけるか、ボールを持たせないか。
残念ながら今のセレッソにジュニーニョを1対1で止められるDFはブルーノぐらいしかいない。そして彼にはDFラインの統率という別の役割がある。
さらに悪いことに柳本が怪我のため出場が絶望的。下村が代役を務める事が濃厚となり、今最も安定している下村、ファビーニョのダブルボランチを組む事が出来ない。二つ有る方法のどちらも徹底できない状態。
ここはボランチに入るであろう布部に頑張ってもらうしかない。前節では年齢を感じさせない運動量を見せた選手会長、まだまだ暴れまわって欲しい。
攻撃ではある程度の計算が出来てきた。西澤、黒部の2トップに森島が絡む布陣が機能しつつある。また後半からの苔口投入も、マッチアップするアウグストの年齢を考えれば有効だろう。彼等を無理に止めようとファウルを犯せば家族が来日して以来絶好調のゼ・カルロスのFKが待っている。
明日の川崎市の天気予報では試合開始時の気温は27℃、湿度は実に80%、さながら天然のサウナといったところ、消耗戦は避けられそうに無い。どちらが集中力を保てるのか、適切なベンチワークをとれるのか、そういった部分にも注目したい。
0 件のコメント :
コメントを投稿