7/02/2006

W杯と次期監督問題。

 昨日はこの2件があったんで眠れませんでした。W杯の2試合は実に面白い試合でした。特にブラジル対フランスは強烈、眠気が吹っ飛びましたよ。


 まずイングランド対ポルトガル。イングランドにとってはルーニーの退場よりベッカムの負傷交代の方が痛かったような感じですね。ルーニーが去ってからはクラウチを入れてトップにタメを作り押し上げを待つ、というシンプルな戦術が浸透して、それはそれで怖かった。

 でも前線が潰れてファウルを貰っても、そこでベッカムの右足という飛び道具が出せなかった。ランパードだって素晴らしいキッカーだけれど、質を考えるとベッカムの方がずっといいわけで…。

 ポルトガルは「デコがいないと別のチーム」と聞いていたんですが、確かにゴール前に来るとアイディア不足になって、なかなかペナルティボックスに入れませんでしたね、数的優位が有りながらそれを生かしきれなかった。

 ずっと同じリズムでボールを動かしているからスペースが詰まると辛い、デコが入るとここで「転調」できるんでしょうが。マニシェがミドルを入れて「転調」を試みていましたけれど、どっちかって言うと打たされていた感が強かった。

 でもどんな形であれ、勝ちは勝ち、準決勝では出場停止組が休養十分で帰ってきます。120分間走り続けたメンバー達の疲労を考えると微妙ですけれど、精神的には間違いなくプラスですよ。


 もう一試合、ブラジル対フランス。こちらは掛け値無しにいい試合。中身のぎゅっと詰まった1-0でした。もう少しロナウジーニョが観たかったけれど、フランスの意地と底力が凄まじかった。ジダン、ヴィエラ、マケレレの3人は、特に素晴らしいプレーをしたと思います。

 とにかくこの3人がボールをよく奪うし、奪われない。必ず何かしらメッセージの有るプレーをするから、周りがそれに合わせやすい。ボランチがしっかりしていれば、例えブラジルでもアレだけ苦労するんですね。ロナウド、カカ、ロナウジーニョが見せ場さえ作らせてくれない。

 そりゃ完璧に押さえ込まれていたわけではないですけれど、ブラジルがいつものブラジルではなかったのは確かです。自分たちのリズムで試合が出来てなかった。アドリアーノが入ってからは少し持ち直しましたけれど、ゴールに結びつくようなチャンスは、フランスの方が多かった。ブラジルにとってフランスが相性の悪い相手だというのは聞いていましたけれど、これだけ受け身のブラジルを観たのは、それこそ8年前のフランスW杯決勝以来かなぁ。


 最後に、次期代表監督問題を。とにかく後味が悪い結果になりました。言葉の重みを知り、それを操るオシム氏が、未だに表立って発言をしないのが、逆に全てを物語っている様な気がします。

 密室の中で何が有ったのかは知りませんが、祖母井GMが「川淵さんとは仕事をしたくない」と不快感を露にした事からも、協会から何かしらの圧力が有ったのは間違いない。

 自らが作ったスキームを破壊してまでオシム氏獲得を急ぎ、「代表の為ならクラブチームの都合など無視してよい」という前例を作った。それだけでも川淵氏の罪は重い。辞任しろとか、そういう事を言っている人もいますけれど、人一人の辞任程度で済む問題ではないでしょう。

 ジェフサポの皆さんは、本当に辛い想いをされたと思います。ずっとジェフスレを追いかけていましたけれど、傍目でみても酷い流れになっていましたね。あれは普通に腹を立てていいですよ。被害者であるはずのジェフが、まるで障害のように扱われた事に、既存メディアに対する憤りを感じます。


 そして、これでオシム氏が望む形になったかというと、そうでもないのがなんとも…。「オシムジャパン」のコーチとして、山本昌邦氏や大熊清氏、それから小野剛氏の名前が挙がっているらしいです。先に内定していた反町氏はともかく、山本氏や大熊氏などは、名前を聞くだけで目が回るという人もいるんじゃないでしょうか。私は、二人がオシム氏の言葉を咀嚼、吸収出来るかどうか疑問です。どちらかにベットしなければいけないなら、私なら「出来ない」に満額賭けますね。


 世界最高峰のサッカーを観た後にこんな話を聞かされると、日本はどんどん置いていかれているんじゃないかと不安に感じます。少なくとも、今のままでは差は開く一方でしょう。


 

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