8/20/2006

C大阪2VS0横浜FM 鉄壁の女神。

 試合の後にメシが食える。それは私にとって特別なことだ。ジャンクフードでも、それは変わらない。

 その馳走を用意してくれたのは、セレッソイレブンと、我が家の女神「たろも」、本当に格別だ。


 しかしスタメンを聞いた時は、「また野菜ジュースですか」と気が遠くなった。注目されていた名波はおろか、山田も、大久保もベンチ。

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 ところがこれがうまく機能する、中盤が随分ましになった。ボランチの二人、河村と宮本の活躍はとりわけ素晴らしいものだった。

 河村は移籍当時「借りてきた猫」のようにおとなしい印象だったけれど、暫くぶりに観た彼はすっかり闘える選手に変わっていた。運動量がとりわけ増えたわけではないけれど、スペースを見れば前に出る、ブルーノが上がれば後ろを埋める、そういうそつの無さにあたりの激しさが加わり、いいボランチになっていた。コーナーキックの際にゴール裏を煽る仕草を見せた時は驚いた。

 宮本は対照的にかいがいしくピッチを駆け回り、相手とボールの間に華奢な体を投げ出す。終盤足をつったりもしたが、90分間この大役を務めあげた。周りが河村、河合、マグロンと180㎝オーバーの選手ばかりで、ピッチではとりわけ小さく観えたが、試合の中で彼が果たした役割は大きい。


 心臓であるボランチがこれだけ頑張ってくれれば、攻守にいい流れが生まれる。1対1では横浜の選手が上手いし、体格でも勝っているけれど、足りない部分は運動量や、チームワークで補う。それはセレッソが昔からやっていた事で、今まで出来なかった事。今日はそれがしっかりできていたのが何より嬉しかった。

 そういう中で森島寛の伝統芸、ラインの裏を突く動きが決まる。相手の急増ディフェンスラインが不安定なのをキチンと突き、角度の無い位置から泥臭くボールをねじ込む、これぞモリシというゴール。このゴールでセレッソは勇気付けられた。


 もちろん万事が万事上手くいったわけではない。密集していてもそこを突破される、などというシーンなど数えられないほどあったし、相手のシュートがバーを二度叩く幸運も有った。吉田に救われた場面も数知れず。

 それでもそんな幸運を呼び込んだのは自らの努力があったればこそ。後半早々の古橋のゴールも、貪欲にゴールに迫ったご褒美のようなもの。


 細かなミスを出しながらも奮闘してきたセレッソに、あえて苦言を呈するポイントが有るとすれば、ここから、後半二点差がついてからの闘い方だろうか。


 リードした後塚田監督がとった策は、3-4-2-1から4-4-2へのシフトチェンジ。徳重を下げて山田を投入、右サイドへ。

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 理屈は判る。マリノスの攻撃は、長いボールを3バックの両サイドに散らしてマルケス、坂田を走らせ、そこに橋頭堡を築くことをベースとしていた。そのスペースを埋めるには4バックがいい。

 ただ3バックから4バックになり、前線が西澤、森島寛の二枚に減った事で前線からのチェイシングが効かなくなり、結果ボールポゼッションが急激に低下してしまった。また4-4-2になってから、相手が長身のハーフナーを投入し、ロングボール、アーリークロス主体になった事も混乱の原因となった。


 結果論になるけれど、この混乱を避ける為に、山田を3-4-2-1の森島寛の位置に上げても良かったように思う。実際山田は終盤かなり前に出ていたし。また素直に森島寛と大久保を交代させていたけれど、援護が少なく効果は薄かった。

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 さて、後半も30分が過ぎ、勝負がほぼ決したところで、スタジアムはにわかに「名波を出せ」という雰囲気になってきた。しかしここで後半になってドゥトラと激しいマッチアップを見せていた藤本が負傷、10人でプレーする時間が生まれる事を嫌った塚田監督は、最後のカードとして山崎をチョイスした。

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 これはこれで良かったと思う。サッカーにとって最も大切な事は相手より多く点を奪う事であり、有名な選手がプレーをする事ではないから。


 まあ何はともあれ久しぶりの勝ち点3、感慨も一入だ。明日はご飯をたくさん食べよう。

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