2/10/2005

日本2VS1北朝鮮 許されざる勝利。

 あの日のようにMURPHY'Sにいて、あの日のようにギネスを飲み、あの日と同じスコアで応援しているチームが勝ったというのに、どうして腹が立っているんだろう。周りにいる客はゲラゲラ笑ってる。その顔を見ると余計に腹が立つ。祝杯は挙げず、家路につくことにしました。

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 スタメンは予想通り。外す事の方が難しい。

北朝鮮戦スタート


 前半20分くらいまでは、まさに思い描いていたプラン通りの試合展開でした。自陣深くにラインを設定している北朝鮮のDFに積極的にアタックをかけてファウルを誘い、セットプレーから先制点。

 その後も北朝鮮の焦りを誘うようなボール回しから隙を見てのサイド攻撃を続け、完全な日本ペースに楽勝ムードさえ漂っていました。


 このムードを変えたのは北朝鮮の早目早目の選手交代と、想定外のチーム戦術の変更だったと思います。

 前半20分を過ぎた頃から、北朝鮮のプレスを開始するラインがぐんと上がって、15番と17番(アン・ヨンハ)がセンターサークルぐらいから顔を出すようになり、不用意な横パスをさらわれるシーンが増えてきました。テレビ朝日の解説で松木氏が「奪われ方がまずいですよ」と言っていましたが、同感です。


 後半に修正をかけてくるかと思っていたのですが、メンバーも戦術の変更も無し。いよいよペースが北朝鮮に傾きます。前半はまだ単独突破だけに留まっていた北朝鮮の攻撃に、手数と人数が加わり始め、守備の乱れは頂点に。


 後半60分。不運がこれに追い討ちをかけます。北朝鮮攻撃陣が日本のゴール前でお株を奪うようなパス回しを見せると、相手左サイドの選手が早く低いクロスを試みます。

 ところがインサイドで蹴るはずだったところをアウトサイドに引っ掛けてしまい、クロスは通常とは逆の回転でゴールへ。これに川口が対応しきれず(これは責められないプレー)同点ゴール。


 ジーコのおっとり刀がここでようやく振り下ろされます。高原in鈴木out。矢継ぎ早に中村in田中out。陣形を3-5-2から2-4-4にシフトさせ、勝ち越し点を奪いに行く姿勢を見せます。

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<高原投入>


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<中村投入>



 それでも北朝鮮の足は止まらず、勝負は五分五分。北朝鮮のセットプレーから肝を冷やすシーンも有りました。


 後半35分、ジーコが最後のカードとして大黒を入れた時、私は正直勝ちをあきらめました。福西をトップに上げ、フィードの上手い中田浩二を入れ、高さを生かしたパワープレーに入るのがベストと考えていたからです。高原-大黒の2トップなど練習さえ満足にしていなかったはず。

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<大黒in玉田out>


 しかし、勝利の女神は気まぐれ。ロスタイムに小笠原が入れたクロスを相手GKがパンチング、これがペナルティエリア前の福西に渡り、ゴール前のスペースにいた大黒へとパスが繋がります。

 他の選手であるならば、あの体勢からあのシュートを打つのは難しかったでしょう。しかし大黒の持ち味は相手ゴール前のスペースへの飛び込みと泥臭くも正確なシュートコントロール。小気味良い反転から放たれたシュートは決して威力の有るものではありませんでしたが、飛び込んできた相手GKをかわし、残っていたDFの足先をかすめ、ゴールマウス中央に吸い込まれていきました。


 戦前「内容よりも結果を」とコメントしていた選手達も、さすがに会見では険しい表情でした。最終予選では勝ちが約束された試合など一つも無い、それを身をもって知ることができた事が、最大の収穫だったでしょうか。その引き換えとしてアウェーでのイラン戦に田中と三都主を累積警告で欠く事になったのはあまりに痛いのですが。





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