2/10/2005

ちゃんと勉強しろよ!(加藤茶)

 昨日スポーツバーからの帰り道、地下鉄に揺られていると、目の前にいたほろ酔い気分の中年二人組が北朝鮮戦について話をしていました。まるでトンチンカンで、ちょっとサッカーを知っている人間なら突っ込みドコロ満載な会話を聞いているとすさまじく腹が立ったのだけれど、応援でクタクタだった私は視線を外して、頭の中で「単なる音」と処理するように務めていました。

 他の乗客の中には、スポーツ新聞のサッカー欄を食い入るように見つめている人もいました。代表の大事な試合ですから、これくらい注目が集まらないと困るわけですけれど「注目はしているけれどサッカーの事はてんで知らない」という人間がいるのが、どうにも理解できないでいます。


 聞けば昨日の中継は47.2%もの視聴率があったそうです(関東圏)テレビ朝日単独でこれだけいったのですから、衛星なんかも合わせると50%以上は軽くいっていたでしょう。今や代表戦は紅白を凌ぐ日本テレビ界最強のキラーコンテンツというわけです。

 ところが一方で去年のチャンピオンシップの視聴率は確か13%前後だったはず。この35%の差はなんなんだと思ったりするんですよ。お前ら今まで何してたのって言いたい。

 ついでに言うなら、「サッカーに政治を持ち込まないでほしい」という声も「○○という行為は政治色が強いので好ましくない」なんて意見も、だいたいこの35%の人達から出てきているように感じます。サッカーと政治を切り離すなら小泉さんもワールドカップの時にわざわざロッカールームまで来なけりゃ良かったのに、人気取りの時は例外なんですかね?残りの純粋にサッカーを愛している人にとってははた迷惑なんですが。


 メディアで活躍されている「自称」有識者の方達にも勘違いをなさっている方がたいへん多いです。今日も今日とて某局の朝の番組でさる有名な司会者が「北朝鮮選手の発表時にブーイングが有った。嘆かわしい事。ヨーロッパのチームと当る時にはブーイングなんかしないのに」と仰られていたそうです。どうも親善試合も最終予選も彼の頭の中では等価のようです。そんな石頭だからいつも毛髪つきの帽子をかぶる羽目になるんですよ。


 政治とサッカーは、確かに微妙な関係ですけれども、政治屋がサッカーの世界に注文をつけるのは間違いなくお門違い、自分の手腕で何とかするべし。

 面白おかしくはやし立ててるメディアも視聴率は自分のアイディアで稼いでほしい。つまらん演出でへんな情報を垂れ流して自国のサポーターや代表が混乱するような事をしないでほしい。

 そして残りの35%の人達は、もっと日頃からサッカーを観ていてほしい。「サッカーを見る目」を養ってほしい。そうしたら代表戦ももっと楽しく、真摯に観ることができるから。


 昨日のバカ騒ぎを見て「確かに日本に本当のサッカー文化が根付くのには100年くらいかかってしまうのかな」なんてがっくりしています。辛い週末になりそうです。





0 件のコメント :

コメントを投稿