2/03/2005

日本3VS0シリア 国内組のプライド。

 得点シーンこそどれも素晴らしいものでしたが、いろいろと心配なポイントが有った試合だったのではないでしょうか?

 この試合、個人的には二つのポイントに注目していました。

1.守備意識の高い中東のチームからいかに得点機を作り出すか

��.速いカウンターで生まれる小人数同士の局面(3対3等)をいかにやり過ごすか



 まずはスタメンから。カザフ戦のスタメンをベースに、3バックの中央を松田から怪我明け宮本に変更。身体能力においては松田に遅れをとる宮本が、どのように相手の攻撃に応対するのか。

シリア戦スタート


<シリア戦スタメン>


 前半は正直チーム全体の動きが緩慢だった印象が有ります。特に目に付いたのは奪ったボールを、ファーストタッチのミスから、危険な位置で奪われるシーン。攻撃を急ぐあまりブレーが雑になり、自陣深くで相手プレスの網にかかり、守備の建て直しが効かないまま相手にフィニッシュまで持っていかれるという場面が少なくとも3回は有りました。

 シリアのフィニッシュが不正確であったり、シュートがジャストミートしていなかったりで、失点こそ無かったものの、シュートコースを作られてしまったのは反省点。

 サイド攻撃のオプションとして中澤か田中が上がる事が有りますが、そういう時は大抵ボールをロストする位置が高く、危機意識も働くのか逆にディレイさせる事が出来ていました。むしろ相手のセットプレーのセカンドボールを奪取した際などに、この傾向は顕著でした。


 そのサイド攻撃、人数をかけて守備をしく相手にも効果がありました。三都主のミドルは右サイドに相手を引き付けた為に、逆サイドにフリーなスペースが出来たところを突いたもの。また先制点となった44分の鈴木のヘディングも左右からの連続したサイド攻撃が実ったものでした。こうした横の揺さぶりの精度が上がってきたのは好材料。特に三都主は果敢にサイドを突いていました。


 前半は1-0、後半スタート時もメンバー変更は無し。


 ここで試合に思わぬ横槍が入ります。後半半ばに相手選手が警告2枚で退場してしまったのです。

 この試合の審判は親善試合にしてはかなり厳しくカードを出していたのですが、まさか退場者まで出すとは思いませんでした。ちなみに第四の審判は「危険なジョージ」こと柏原氏。ちょっと偏りがあったような…。

 ただこれでシリアは堅守速攻の古典的な中東サッカーを披露し始めました。テストマッチとしては良いシチュエーションだったのではと思います。

 ジーコもこれを機に後半30分過ぎから遠藤に変えて中田浩二を投入。さらにその後田中誠を下げて本山を入れ、三都主-中澤-宮本-加地を最終ラインに4-4-2(実質的には三都主、加地がかなり高い位置に入る2-4-4のような形)へとシステムを変更します。

シリア戦後半30分


<シリア戦終盤>


 この流れの中で小笠原が素晴らしい飛び出しを見せ、トドメの3点目を決めます。カザフ戦でもいい動きを見せていましたが、得点という結果が出たことで、小笠原としてもより自信を深めた事だと思います。ジーコとしても北朝鮮戦をどのようなメンバーで臨めばいいのか、嬉しい悩みが出来たことでしょう。


 攻撃のバランスはこれ以上無いというほど完成に近づいています。ポジションチェンジとそれに対するフォローなど、アジアカップよりもさらに錬度を増しているように感じました。

 ただまだカウンターに対するツメの甘さのようなものも残っています。これから予選で星を取りこぼさない為に、慢心する事無く、チームの強化に努めて頂きたいですね。







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