W杯アジア一次予選シンガポール戦のメンバー18人が発表されました。当初ほのめかされていた「功労者」の名前は無く、いつもの国内組メンバーに大久保を加えただけの編成になりました。
この件に関してはAFCからも圧力がかかり、ジーコの思惑どうりのメンバーは招集できませんでした。写真からもその不満がありありと見て取れます。
また国内クラブが熱望していた大黒、二川、田中達也、阿部などの「期待の若手」の招集もありませんでした。
これらの事象を見ていると、ジーコはあくまでもジーコ自身のルールに則って、規則的にメンバーを選んでいる気がします。
まず、ジーコは同タイプの選手がいた場合、個人技に長けた選手をチョイスする傾向が有ります。大黒や田中がこれだけゴールを重ねても、大久保に召集がかかったのには、二人がチームのコマとして機能し、得点を重ねていったのに対し、大久保が個の力でゴールをこじ開けていったという、実に単純な比較が有ったのです。
また、既に同じポジションに信頼の置ける選手がいる場合、それ以上の召集は控えているようです。二川のポジションであるトップ下にはジーコが最も信頼する中村がおり、さらに中田、小笠原と控えが二人もいます。
そしてこのルールに則って召集したメンバーが既に結果を出している事から、恐らく今回の大久保の「追試」を最後に、新しいメンバーを加えることは無いでしょう。ジーコにとっては既に「素材の選定」という段階は終了しており、来年の最終予選に向けてチームを成熟させる事を第一に考えているのです。
これを「石頭」と捉えるか、「順調」と感じるかは個々人によるでしょうが、ジーコにこれ以上どんな助言をしても、この「考え」を曲げる事は出来ないでしょう。
サッカーは結果が全てですから、無事予選を突破してしまえば、ジーコは「他人に流されず自分の考えを通した不屈の意思の持ち主」と賞賛されるでしょう。ですがもし敗退してしまった時は、猛烈なバッシングが彼を待っているはずです。ですがこうした事もジーコにとっては既に折込済みなのかもしれません。
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