11/24/2004

C大阪2VS1清水 見つかった「形」

 今日はたくさん書くことが有りますが、まず冷静に今日の試合を振り返ってみます。

 スタメンは下図の通り。出場停止の伊藤に代わって徳重 健太がJ初出場、左サイドハーフに古橋が入り、3トップは森島、西澤、大久保となりました。チョ・ジェジンには千葉、北嶋にはラデリッチがマンマークする形です。

VS Shimizu


 立ち上がりにペースを握ったのはセレッソ。今のチーム状態で勝つためには先制点を取る事が大事。ペース配分など考えず、全員ががむしゃらにボールを奪い、ラッシュをかけます。

 対する清水は前節で残留を決めたためモチベーションも低く、立ち上がりにスキが有りました。それに加えてセレッソのラッシュ。先制点は生まれるべくして生まれたものでした。

 見事な攻撃参加でゴールネットを揺らしたのは久藤。そのシュートは今年生まれた娘にささげるものか、それとも嘉人への手向けか…。


 先制点を奪えたセレッソですが、ここでさらに乗り越えなくてはいけない壁がまっていました。それは「2点目」の壁。一点を守りに入って動きが止まり、相手の猛攻にさらされる悪癖を払拭する為には、この流れの中でもう一点、奪う必要が有りました。

 この壁を砕いたのは、トップから左ウイングハーフに下がった古橋。下がったことで得意のミドルを楽に打てるようになり、うなりを上げたボールはゴール左へ。2-0。スタジアムに歓喜の声。


 これで前半を終える事が出来たならば、小林監督のプラン通りだったでしょう。しかし、前半ロスタイムに一瞬のスキ。ケアしなくてはいけないコーナーキックから、易々と追撃弾を奪われてしまいます。

 徳重 健太は初先発としては十分及第点の出来でしたが、至近距離の反応に難が有る様子、若干の後味の悪さを残して、試合は後半へ…。


 後半は立ち上がりから清水ペース。チョ・ジェジンをポストに久保山、太田らが飛び出し、マンマークで開いたスペースへ突進。何度となくピンチを迎えますが、相手のシュート精度の悪さと、水際でのブロックでかろうじて失点を免れます。


 後半15分ごろには布部、久藤のダブルボランチが揃ってガス欠。酒本が孤立し始めます。森島、大久保がカバーしようとしますが、組織的な守備で何度となくサイドに押し込まれ、全体で押上げをかける事が出来ません。

 ここで最初のカード、久藤に代えて下村。この交代は劇的な変化こそもたらさなかったものの、ボールの回転が良くなり、何度かカウンターで反撃するシーンが生まれるようになります。

VS Shimizu 下村投入


 特に大久保の1対1になったシーンなどは決まってもおかしくない場面でしたが、残念ながら自らの花道にゴールを添える事は出来ませんでした。


 柏VS浦和戦の経過が逐次紹介され、柏劣勢が伝えられる中。清水の組織的な攻撃とセレッソのカウンターが何度もリフレインされ、ついに、残り時間5分。

 スタジアムにいた2万1千のサポーターは、また追いつかれるのではないかという不安を、自らの声援でかき消し、ピッチの選手達は体を張ってボールを敵陣内でキープします。

 大久保は闘志をむき出しにしながらタッチラインでボールを保持。相手の厳しいディフェンスにも冷静さを失う事無く、黙々とプレーしていました。勝利の為に、残留の為に、今まで共に戦ったチームメイトやサポーターの為に…。


 主審のホイッスルが長居のピッチに響いた瞬間、セレッソはようやく、長い長い呪縛から自らを解き放つことが出来ました。


 柏との勝ち点差は1、得失点差は3。他力に頼らなくてはいけない状態に変わりはありません。

 しかし、忘れかけていた勝利の味を思い出したことは、たとえ入れ替え戦に臨んだとしても、それを乗り越えられるはずだという自信になった筈です。この一勝は勝ち点3以上の価値がありました。



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