「選手交代枠6をフルに使う」
確か試合前、ジーコはこうコメントしていたと覚えています。後半40分過ぎに帳尻あわせのように本山、藤田、そして怪我あけの坪井を投入したのは、スターティングメンバーのコンビネーションがあまりに良かったからなのでしょうか?
そのスタメンは下記のとおり。宮本に代わって松田が3バックのセンターを務め、中村の位置に小笠原を置いた以外はアジアカップからの「不動のメンバー」
<スターティングメンバー>
前半のカザフスタンは予想どうりのベタ引き。北朝鮮戦でもこのような事態が想定される為、代表にとっては願ってもないテストになりました。
ここで徹底されたのは両サイドからの崩し。両サイド、特に加地はいつにも増して積極的に攻めあがります(今までいろいろ書いてスマンカッタ)
その為サイドにDFがつり出され、ゴール前にスペースが生まれます。玉田の先制点はこうしたコンセプトが見事にはまった中で生まれました。
また遅攻の中でも、攻めのスピードに緩急をつける事で相手を揺さぶり、確実に心身のスタミナを奪っていきます。
カザフの守備が稚拙だった事、また主審のジャッジが厳しかった事もあり、両サイドの良い位置から、何度もセットプレーの機会を得ていました。この経験もまた収穫でしょう。
三都主の3点目は明らかなカザフのミスとしても、セットプレーから畳み掛けるように2点を奪えた事で、試合の大勢を前半30分で決する事が出来ました。
後半カザフが攻撃的な姿勢を採った為、何度か危ない場面が生まれましたが、それとて目を覆うようなものではなく、松田、中澤を中心とした最終ラインは相手の攻撃を効率よく分断していました。
後半開始から阿部が、そして30分からは大黒が、それぞれ代表初キャップを記録(交代は福西→阿部、鈴木→大黒。ポジションに変更無し)阿部はフリーキックで唸るような見せ場を作り、大黒も飛び出しから果敢にゴールを狙います。
特に阿部はJの各チームでフリーキッカーを務めている三都主、小笠原、遠藤と比べても遜色の無い、むしろそれ以上の精度のキックを披露。ジーコジャパンに新たなオプションが生まれたことを知らしめました(もとから定評があったわけですが、代表でその力が出せるかどうかは判らない部分も有りましたから、これは嬉しかった)
結果論で言うならば、遠征疲れの残る格下のチーム相手に、きっちりと大量得点、無失点のゲームをしてみせた形になりましたが、今までの代表はその「きっちり」をする事が出来なかったわけで、それだけでも満足するべきなのかも知れません。
また試合展開の変化を早期に感じ取り、その場その場でフレキシブルに対応していた点も見逃せないでしょう。小笠原も集中力の途切れる悪癖は姿を消し「国内組だけで十分やれる」というコメントが決して強がりではない事を証明して見せました。
<この画像はイメージです>
これから海外組(大久保は落選のようで残念なのですが)が合流する事で、このチームがどのように変化していくのかは判りませんが、純粋にプラスアルファになるのであれば、北朝鮮戦も安心して見ていられるかも知れません。ただすんなりとそうならないのが、サッカーというスポーツでは有るのですが…。
そうそう、件の地蔵問題ですが、観客数こそ4万6千人と少ないものでしたが、少なくともテレビを通じては、サポーターとして良い応援をしていたように感じました。この辺りは現地に行かれた方のエントリーを待つこととします。
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