5/09/2005

愛される人、愛されない人。

 ダービー前に相手の粗探しというわけではないが、吉原の話題は触れずにはおられない。ただ問題自体に関してはガンバサポの方達の方がずっと詳しいだろうし、切り口を変えてコラムを書いてみたい。


 昨日6日は千葉オシム監督の64回目の誕生日だった。チームスタッフはもちろん、取材に来ていた記者や、練習を見学していたサポーター20人まで、いつもは入れない監督室に招いてケーキなどを振舞ったらしい。ニッカンスポーツに詳しい記事と写真が掲載されている。オシム老の子供のように愛らしい笑顔が印象的だ。


 「名将」の誉れ高いオシム監督ではあるが、ジェフ千葉の監督となってからタイトルを獲得しているわけではない。それでもオシム監督に対する評価は揺ぎ無い。

 西野監督とてけして凡庸な指揮者ではない。99年には柏を率いてナビスコカップを獲得している。後一歩及ばないものの、リーグ戦では何度も優勝争いをしている。経歴だけを見ればむしろ良い監督の部類に入る人物。それでもそれに見合うだけの評価を得られないでいる。

 もちろん今回のように特定の選手を冷遇したり放逐する事も評価を下げる一因だろうが、これに関しては弁護される余地はある。吉原は以前から練習態度に問題があったようだし。


 オシムと西野、二人を分けているのは監督としての力量とは別のもの、本来監督業とは関係の薄い人間性とか、そういったもののように思う。


 私事になってしまうが、私も以前「結果だけは残す」上司に当たった事がある。確かに会社としての利益は出るのだが、極端なストレスで同僚同士のコミュニケーションは非常にギスギスしていて、その雰囲気に嫌気がさしてリタイアするものが続出した。

「俺のやり方についていけない奴はどこに行ってもだめ」

 辞職届を受け取るたびに、その上司はそんな事を言っていたが、今でも各人がそれぞれの分野でそれなりに活躍している。私一人を除けば。


 チーム成績は確かに一番大事な要素では有るが、それに固執するあまり選手に過度のストレスを与えてはいないだろうか。日本人監督は特に自身のフィロソフィーに選手を押し込む傾向が有る。それがエゴと呼ばれるほどに肥大化してはいないだろうか。64歳の老将の方が思考が柔軟かもしれないというのはなんとなく寂しい。





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