5/15/2005
C大阪2VS4G大阪 決まらない。締まらない。下らない。
実に面白くない試合だった。負けたのももちろんだが、選手は終始どこか浮ついていた、8試合負け無しで来た自分達のスタイルをとることが出来なかったチームに対して、腹立たしささえ感じている。
両軍スタメンは予想通り。
このフォーメーションの特徴は、何度も言うように守備にある。古橋、西澤、森島のチェイシングで一つ目の網を敷き、パスコースを限定させる。中盤がさらにボールホルダーを追い込む。DFラインにボールが到達する頃には完全に相手攻撃が失速するという塩梅だ。
ところが今日はこれが出来ない。相手攻撃の起点になっているシジクレイ、遠藤はフリーになっていて、森島や古橋の網がかからないので、ボランチや最終ラインへの負担が増える。
大黒が飛び出してラインにギャップを生じさせたり、ボランチの後ろにスペースを作ったりして守備を揺さぶる。そこをフェルナンジーニョやアラウージョがスピードに乗って突いてくる。大黒の先制ゴールはこの攻勢を防ぎきれなかった結果だった。
ただセレッソにもチャンスが無かったわけではない。こちらも下村が起点となった攻撃が効果的だったし、予想通り西澤のポストプレーも機能した。
先制点を奪われた5分後の21分、西澤がボールをフリーで持ち、しかも前を向く時間まで与えられるシーンが有った。前にはDFがついていたが、ここまでフリーにさせるのは致命的。美しいミドルが松代の手を掠め、同点ゴール。
ここからセレッソに流れを変えるチャンスが何度も生まれる。少なくとも2度は、決めて当然というシーンが有った。ここで決まればリード出来る、主導権を握れる、本当に大事なシーンを、しかし、決めきれない。これがこの試合の一つ目のポイントだったように思う。
西野監督が作るチームには特徴が有る。想定されるシチュエーションに対しては常に冷静に対応できるし、攻撃も機能するのだが、それを超えた、今風に言うなら「想定外」の事態に対してはまるで無力なのだ。もしここで1点でもリードを奪えれば、試合はどうなっていたか判らない。
ミスショットに助けらたガンバは、すぐにチームバランスを修正すると、再び攻勢に出た。やはりシジクレイ、遠藤を起点にボールが前線の3枚へ入るようになる。前半30分過ぎから危険なシーンが続出する。
何とかシュートコースをブロックしていた守備陣であったが、サイドから切れ込んできたアラウージョが僅かな隙を逃さず、1度のチャンスを確実に決めた。再びリードを奪うゴールに活気付くガンバサポーター。このまま前半は終了。
後半に入ってもどこかチームに統一感の無いセレッソ。出足が鈍く、チームプレー、連携が取れない。ゴール裏にびっしりと陣取ったセレッソサポーター達からの「さあ行こうぜ」の大合唱にも、足が動かない。痺れを切らせた小林監督が布部を下げて黒部を投入し古橋をボランチに2トップという布陣を敷くが、効果が薄い。10分後には「切り札」米山を投入し、シュート僅かに1本の森島を下げる
リードを奪ったガンバは対照的に意識が統一されていた。速いボールをサイドのスペースに出し、相手最終ラインを押し下げる。ボランチと最終ラインに出来たスペースを生かすか、そのまま切れ込んでフィニッシュ。フェルナンジーニョが超至近距離からのシュートを外し、胸を撫で下ろしていたところへ、同じパターンから再びアラウージョに決められた。1-3、意気消沈するスタンド。
だがその直後に「想定外」が起こる。なんでもないロングボールをガンバDFがクリアミスし、再び西澤にチャンスボールが渡ったのだ。これを見事に決めて2-3。僅か数分で一点差に戻した。
ここからは前がかりのセレッソ、守ってカウンターのガンバという図式が試合終了まで続いた。特に2-3になった直後は同点になる絶好機が再び連続していた。だがまたしても決定力不足に泣く事になる。ここが二つ目のポイント。
左サイドで完全に封じられていたゼ・カルロスが作った唯一といっていいチャンス、クロスボールに黒部が飛び込んだが枠を捉えない。対照的に右サイドでいい動きを見せていた久藤からのボールも米山がミスキック。ここで勝負有りだった。
2-3で試合終了していても、きっと腹立たしい気持ちでいただろうが、ロスタイムのカウンターで4点目を奪われたシーンは、本当に頂けないものだった。相手の飛び出しをオフサイドとセルフジャッジした守備陣がオンプレー中にも関わらず足を止めてしまったのだ。
隣で観戦していた知人もオフサイドだったと言っていたが、審判が笛を吹かない限りプレーは続いているのだ。結果だけ見れば得失点差を1引き下げただけの1点だが、この4点目の持つ意味は大きい。大黒がらくらくとゴールをあげた直後、試合終了の笛が響いた。
今日の一戦の為に、チームの運営側は本当に尽力していたと思う。フードブースは11時の開門直後から大盛況だった。SB年間パスポート所有者専用シートにはサッカーをよく知る常連が陣取り、非常に濃密に試合を楽しむ事が出来た。今期チーム最多となる4万2千57人が来たのは決して偶発的なものではない。
この運営側の絶好のアシストに、チームは勝利で応える事が出来なかった。試合同様チームの名を知れ渡らせる絶好機を生かしきれなかった。その事実を選手達は重く受け止めなくてはいけない。
「満員の観衆の中で試合がしたい」と言ったのは誰だったか?己の夢をかなえておいて観客の夢をないがしろにする、それでプロと言えるのか?口の悪い表現になるが、ガンバ如きに勝てないようでは、「また来よう」という人間が劇的に増える事は無いだろう。「不敗神話」も8で止まった。初心に帰り、再出発してほしい。今度はチームの実力で、スタンドを埋める番だ。
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