その話、というのは「レッズサポーター有志による憲法第九条を考えるグループの設立」というもの。
レッズ(サッカー)と第九条なんて深海魚と野鳥くらい結びつきにくい組み合わせ、というか組み合わせられないだろう、なんて思っているのですが、いるんですね、結びつけちゃう人が。
上記の記事を一部抜粋。
結成総会にはサポーターに人気の高いラジオパーソナリティーの大野勢太郎さんも参加。「ロックで平和を語るように、サポーターの中にも平和に対して熱い思いを持った人が大勢いるはず」
会では今後、ホームページを開設して幅広く会員を募るほか、会の旗を作りスタジアムで掲げる予定だ。
揚げ足とりではないですが、この
「ロックで平和を語るように、サポーターの中にも平和に対して熱い思いを持った人が大勢いるはず」
というコメントに激しく違和感を覚えたりするんですよね。
例えば安保闘争だとか、フォークゲリラだとかいう私よりももっと上の世代がやってきた反戦運動っていうのは、本人達が主役だったように思うんですよ。その頃は生まれてないですからよく判らないですけれど。
高田渡だってフォーククルセダースだって自分自身を運動の中心にしてきた。それに賛同した若い人たちがついてきた。本人達が反戦歌を歌い、まわりが共鳴する。これなら判る。
ただ今回の場合は中心にレッズが有るんですよね、これがおかしい。サッカーと政治運動って別物でしょ。別にエメルソンは世界の平和を守る為にドリブルしてるんじゃないし。「スタジアムでのレッズの応援」と「第九条を守ろうという運動」は同軸線上に無い。
※この画像は「日本活動蹴球倶楽部」様のものを使用しています
どうも胡散臭いなと思ってちょっと暗がりの中に手を突っ込んでみたんですが、こりゃだめだ。とてもサッカーが好きでブログやってるだけの人間がどうこう発言できるような底の浅い話じゃ無いみたい。
手っ取り早く言うと、こういう団体を設立した目的は、ある主義主張思想の類を伝播させようとした人達が、普通に宣伝活動をして賛同者を集めるより、結束が強く組織のしっかりしたサポーターグループの人達を丸め込んでいった方が効率がいいと思いついたからみたいです。腹の立つ話だ。
で、この問題って日本サッカー全体の問題なんですよね。たまたま一番人数が多く結束の強い浦和サポーターが狙われただけで、他のチームのサポーターにとっても十分起こりえる話なんですよ。そういう時サッカーを愛する人はどう対応していけば良いか。
まず大事なのは当該クラブとそのサポーター達だけで解決する事。他のチームのサポーターによる援助は「敵対するチームのサポーターの圧力を受けた」という口上を作らせるからです。
そして極力サポーター同士という状態を作らず、スタジアムでも無視する事。口論などでも「圧力」と取られかねないからです。
最後に彼らの行いを観察し、スタジアムでのマナー違反などを逐次クラブやサッカー協会に報告していく事。スタジアムでの政治的活動はJリーグの観戦規約に対する明らかな違反ですから、それらをチームに報告し、彼らをスタジアムから排除するよう要請するのが一番楽かと(それでも十分面倒くさい!!!)
サッカーはサッカーを愛する者の為にのみ存在するのです。政治の道具に使おうとする人間はとてもサッカーを心から愛しているとは言えない。もちろんどんな人間でも信条は有るでしょうが、そんなものはスタジアムの外に置いておくんですよ。全ての思想を超えて、同じチームのサポーター同士が結束出来る事、相手チームやサポーターと心置きなく闘える事が、サッカーの醍醐味なんですから。
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