3/13/2005

C大阪2VS3横浜F 寒い!寒い!寒い!

 今年からSB席のシーズンパスを買ったのだが、雨はしのげても冷たく吹き付ける風は防げず、タッチタイプする指は未だにかじかんでいる。

 試合内容も天気同様酷いものだった、スタメン発表の時点で悪い予感がしていたのは私だけではないはずだ。少なくとも始球式の際に釜本氏の弾丸シュートが吉田の手を弾きサイドネットを揺らした時に、全てのサポーターが不吉なものを感じただろう。

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こういう時にカサ応援は便利かもしれない


 そのスタメンは前節と全く変わらなかった。

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 立ち上がりマリノスは中澤を3バックの真ん中に置いて、黒部からボールを回される事を警戒していたが、最初に火花が散ったのはゼ・カルロスと田中がマッチアップする左サイドからだった。

 いや、ひょっとしたらマッチアップという表現は適していないかも知れない。マッチアップとはお互いが攻守で駆け引きをしてはじめて成立する。しかしこの二人は互いのケアを全くせず、まるでノーガードなのだ。おかげで立ち上がりセレッソはいくつかのチャンスをつかむことが出来た。

 先制点も左サイドから。前半10分過ぎ、相手ゴール前で何度も分厚く攻め立てると、古橋が冷静にボールを流し込んだ。


 ただこれでセレッソが完全に優位に立てたわけではなかった。マリノスは前試合の3-5-2から3-6-1にシステムを変更し、両サイドの攻撃に厚みを持たせる形を採っていた。これがこの試合のキーポイントだったと思う。

 前半18分、セレッソゴール前のセットプレーからブルーノがセンターラインまで釣り出されると、不用意にボールを奪われ左サイドを使われる。何とか水際で防ごうとするだが、こぼれ玉を昨年山形のエースストライカーだった大島が冷静に叩き込んだ。


 前半のセレッソはとにかく安定を欠いていた。吉田、ブルーノ、布部、ファビーニョというセンターラインでボールが落ち着かない。吉田には何度も肝を冷やされたし、ファビーニョの動きは緩慢で、自慢のパスの成功率も低かった。

 だから後半終了前に「長居が好き」と公言していた黒部が二戦連続のゴールを決め、リードした形でハーフタイムを迎えても、決して安穏とした気持ちではいられなかった。悪い予感程よく当たる気がするのは被害者意識が強いせいだけだろうか。


 後半、マリノスは奥を下げ、スピードに秀でた山崎を投入する。サイドをより強く攻めていこうという姿勢の表れと捉えたが、この交代がはまった。

 開始早々右サイドを破られると、またしても大島がゴールを奪う。前節でもそうだったが、相手の意図を汲み取れず、その応対が出来ないまま失点する形になった。ピッチの上ではっきりとしたリーダーがいないというのも原因だろうし、選手個々のそうした意識の低さも有るのだろうが、サポーターとしては「何度同じミスを繰り返すのか」という心境。

 
 失点後も修正の効かないまま、両サイドを橋頭堡にマリノスがじりじりとボールポゼッションを上げていく。誰かが何かをしなければいけないこの時間を、ピッチの選手達もベンチも、ただまんじりと過ごしていた。何かをしようとしていたのかも知れないが、少なくともそれをスタンドから感じ取る事は出来なかった。

 後半15分の大島の3点目は、とられるべくしてとられた失点だったように感じる。何の落胆も無かった。


 セレッソ最初の交代は失点直後、黒部、久藤の位置にそのまま西澤、廣山。

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 西澤のポストと廣山のクレバーなプレーは、ようやくセレッソに安定をもたらしたが、どこかマリノスの手のひらの上から逃れきれていない感覚が拭えないままだった。どれだけ策を練っても「それも想定のうちだよ」という風に簡単に封じ込められてしまう。

 最後の一枚、濱田の交代は完全にギャンブルだったと思う。何をしたいのかという意識からではなく、ただ相手の目先を変えるだけの交代。

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 ただ賽の目はセレッソに転ぶ事は無かった。濱田の足から生まれたのはミスだけだった。ブチブチと攻撃の流れが断ち切られる音が聞こえた。もし今日のメンバーがセレッソの現状のベストチョイスで有るならば、私が思っているよりずっと事態は深刻だ。


 西澤が後半33分にリードを許してから唯一の決定機を外すと、それからはしっかりと守りを固めたマリノスからチャンスらしいチャンスさえ生み出すことが出来ず。タイムアップの笛が空しく長居の空に響いた。


 2試合で6失点。セレッソが何かしらの修正をしなくてはいけないのは明白だ。

 吉田のプレーは終始リスキーで、完全に味方からの信頼を失っていた。後半には本来GKが処理すべきボールも、DFが「俺が何とかするから出てくるな」とでも言いたげにさらっていった。

 布部のプレーからベテランらしい安定感を感じる事は出来なかった。いつも自信なさげでアグレッシブさも無い。ボランチという泥臭さが求められるポジションにありながら、彼のユニフォームが汚れた様子は無かった。

 久藤、江添にも不満が残る。3失点のうち2失点は右サイド、いずれもミスからだった。廣山が入ってからある程度形が出来ていただけに、何故これを最初からしなかったのだという疑問が残った。

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彼らにこれ以上の失望を与えてはいけない



 ともかく何か手を打たなければ、現状は何も変わらない。まだ二節を終えたばかりだが、病巣の深さを考えれば、決して早すぎる事は無い。小林監督には自身のサッカーに対するフィロソフィーも含めて、変化を期待している。

 試合の結果を伝えた時、家内が言った「セレッソにはGKがいなかったの?」という言葉が、かじかんだ耳に残った、そんな試合だった。





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