3/15/2005

異端派チーム育成法。

 一夜あけて、代表に選ばれた選手達のコメントが各誌に掲載されている。

(小野・スポニチ)「(左足は)全然問題ない。痛くないとは言えないけど、それなりに少しずつ良くなっている」
(同・ニッカン)「19日のRKC戦に向け、一生懸命練習して体調を整えたい。多分(RKC戦後に)ドイツ合宿には参加すると思います」

(中村・ニッカン)「チームはチーム、代表は代表。気持ちを切り替える」

(大黒・ニッカン)「ドイツでいい準備をして、この2連戦に臨みたい。点を取れるように頑張るだけです」

(松田・デイリー)「ケガでチームでも出場できてなかったので(選ばれて)驚いています。チャンスをもらったのでチームのために頑張りたい」

(中澤・デイリー(松田の記事とリンクは同じ))「まずは自分自身のコンディションを整えていきたい」

(三浦淳・デイリー)「ここで頑張ればチャンスとか言われてるけど、そういうことは考えてない。日本がW杯に行くために大事な試合。この一戦のためにやりたい」「右サイドをいかに抑えるか。90分の中で体を張りたい」



 メンバーの選出に関してはあまり賛成出来なかったが、だからといって「けっ、代表なんて負けちまえ~」と思うほどひねくれてはいないつもり。小野や松田、中澤といった面々は体調の不安を隠せないでいるが、何とか頑張ってほしい。


 三浦淳はこのメンバーの中で一番プレッシャーがかかっているのでは。代表ではずっと三都主の控えで出番が無かったし、去年はずっと相馬にポジションを奪われたままで、思うような活躍が出来なかった(その分移籍後はセレッソ戦で随分と活躍しされてしまったけれど)

 そんな中で代表に選ばれ、恐らく一番キツイアウェーのイラン戦での先発が濃厚となれば「硬くなるな」と言うほうが無理。対面がマハダビキアというのも辛い。イラン戦のキーパーソンなのではないだろうか。


 セレッソの開幕逆ダッシュで放心状態になっていたが、イラン戦までもう10日しかない。あのなんとも言いがたい胃の痛くなるような試合があと5つも残っているという時点でめまいがする。そういう「気負いやストレス」が選手のコメントからあまり見られないのは良い事だと思う(三浦淳はさすがに気負っているが)


 各所から疑問が噴出しているジーコの選手起用だが、良い所を挙げるとするなら「いい選手だと思った選手だけを徹底的に練磨する事で、チーム力が妙な形では有るが、一応上がった」という点が有る。その自信が、選手のコメントにも表れているように感じる。


 様々な選手を招集、テストし、万が一の事態が起きても対処できる選手層の厚みを確保する。というのが代表監督の正攻法(ということはトルシエも選手起用に関しては普通だったのかな)だがジーコは鹿島の時と同じくチームを「ファミリー」として捉え、選りすぐりだけを育てるという方法を採った。チームの親和性を優先したわけだ。(ただ結びつきを強くするという意味だけで「ファミリー」という言葉を用いたので宇都宮さんが言及されている「家長制」とは意味合いが少し違う)

 結果「スタメンの殆どがズタボロになりながら、その場のチームワークと底力で勝ち上がっていく」という「あしたのジョー」のようなチームが出来上がった。普通ならとっくに頓挫していてもおかしくないのだが、その方法で今まで何とか来てしまった。


 こうなってしまった以上、我々はもう、ズタボロになりながらハートだけで闘っている代表に、リングサイドから「立て!立つんだああぁぁっ!!」と叫ぶことしか出来ないのかも知れない。ああ、いよいよ胃に悪い。





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