4/24/2005

浦和1VS2C大阪 聖地沈黙。

セレッソは、体調が万全ではない西澤を後半に引っ込める事が出来た。

浦和は、同じく体調が万全ではない闘莉王を90分フルに使った上、終盤は前線でターゲットマンになるよう指示を送った。

 この二つの事実が全てを物語っているような気がする。スコア以上に両チームの差が出た試合だった。

 試合に入る。両陣共にメンバーは予想通り。ただセレッソは1トップ2シャドーの3-6-1だった。

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 試合立ち上がりは浦和のペース。去年と変わらずタテのドリブルを軸にした強引な突破でセレッソ守備陣を切り裂きにかかる。

 この攻撃の切れ味は昨年とあまり変わらなかったように感じる。多少の焦りのようなものは見て取られたが、それによって致命的なほど攻撃が鈍化しているわけではなかった。

 ここを凌げたのはセレッソの守備が去年の対戦時よりもよく整備されていた事と、浦和のフィニッシュに正確性が無かった事が要因。特に浦和の決定力の無さ、言い換えるならゴール近辺での冷静さの無さは深刻なように写った。去年と同じようにお膳立てをしても、ゴールを奪う事が出来ない。


 このドリブルでの仕掛けをセレッソが泥臭く奪う。絵に描いたようなカウンターが、7分と21分、綺麗に二度決まった。この2得点は共に西澤のアクロバティックな「らしい」ゴールだったのだが、それを演出してしまったのは闘莉王だった。

 1点目は西澤のマークをしていた闘莉王が、古橋に釣られて裏のスペースを空けてしまったのが原因だし、2点目のシーン、下村の美しいクロスの先にいた西澤には誰もマークがついていなかった。

 肉体的に万全な状態で無いが故に判断が遅れるのは理解できるが、闘莉王のポジションはそのほんの僅かなミスも許されないのだ。セレッソがそれを感じ取り、利用したのなら良い判断だったと思う。相手の弱点を見抜き、そこを突くのはプロの世界では「卑怯」とは言わない。


 何とか前半のうちに反撃の糸口を掴みたい浦和はエメルソン、田中達也らがシュートを放つが、相変わらず枠を捉えられない。2-0での前半終了は小林監督のプラン通りか…。


 後半、レッズがフォーメーションを修正する。3-4-3からトップ下に山田を入れ、永井を右サイドに入れた3-5-2へ。この変更でサイド攻撃が整理され、特にゼ・カルロスと永井のマッチアップが激化する。

 一方セレッソはトップを後半開始早々黒部にスイッチする。

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 黒部はサイドまで顔を出してボールをもらい起点になろうとするのだが、中々思ったようにプレー出来ない。レッズが次第に前がかりになっていったことも有って孤立する姿が目立った。


 この流れの中で浦和が反撃ののろしを上げる。後半15分頃、セレッソゴール前右45度からのフリーキックを闘莉王がヘッドで折り返すと、そのボールを途中出場の横山が決めた。1-2、2万人の赤いサポーター達が一気に活性化する。


 いつものセレッソならここで足が止まっていただろう。だが、今日は違った。ボールに対する執念、集中力、組織力。およそ似つかわしくない言葉ではあるが、今日のセレッソにはそれらが有った。全員がMOMをもらってもおかしくないプレーを連発する。布部が一度これまた「らしい」プレーをしたが、トータルすれば彼も立派なMOM候補。逆に古橋がカウンターからいいシュートを放つなど、したたかさを感じる事さえ出来た。


 終盤には2-4-4とも言える超攻撃的な布陣を敷いてきた浦和に防戦一方となったが、よく耐え、よく守り、歓喜の長い笛を聞くこととなった。


 ここ4試合で3勝1分のセレッソ。怪我人こそ多いが、上り調子にある事は確か。毎試合このようなタフなプレーをしていては身が持たないかも知れないが、今のリズムを乱すこと無く勝ち点を重ねていけば、GMが目標とした賞金圏内という順位も夢ではないだろう。





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