4/17/2005

柏戦かく伝えり。

 内容が悪くても勝つ事が有り、内容が良くても敗れる事もある。サッカーとはそういうものだと思っています。

 ただ、勝てばやはり批判しにくいものだし、負けた時は誰某のプレーが良くなかった、などという内容になりやすい。

「勝つには勝ったが修正しなくてはいけない点がある」

「負けた中にも収穫は有った」

 などという論調の記事は、メディアの中でも、ブログレベルに有っても異端で、決して大勢にはなりません。


 そういう現状の中に有って、「引き分け」という結果をどう伝えるのかというのは、書き手の側にとってはとても面白いものです。良い部分も悪い部分も有るから決着がつかなかった。その試合をどう捉えるのか、どう伝えるのか。

 昨日の試合についての記事を探していくと、やはりいろんな見方が有ったようです。

ニッカンスポーツなにわWEB

C大阪「3連勝」逃した…/J1

��J1:C大阪1-1柏>◇第6節初日◇16日◇長居

 C大阪が10人の相手を攻め切れず手痛いドローを喫した。後半25分、柏DF土屋が2枚目のイエローで退場。数的優位に立ったものの、後半のシュート数は柏より2本少ない5本。同30分を過ぎてからFW黒部、MF広山を投入し攻撃的な布陣にしたが、遅すぎた。「勝ち点3」を獲得できるはずの試合だった。小林監督は「サイドからクロスを上げることを意識したが、個人の状況判断がまずかった」と肩を落とした。


スポニチアネックスOSAKA

C大阪、西沢が先制点挙げるも消化不良のドロー

 <C大阪1-1柏>消化不良という言葉がぴったりだ。1-1で迎えた後半32分、C大阪はまずFW黒部を投入し、西沢との2トップに変更。その5分後には右サイドに広山を入れて勝負をかけた。
 しかし、勝ち越しゴールは最後まで遠い。攻撃的な選手を揃えても、戦術といえば後ろから放り込むだけのただ一手。相手が後半25分から10人になり勝利のお膳立ては整っていたものの、ピッチ上に並ぶ有り余る素材は十分に機能しなかった。
 「料理でいえばちょっと大味だった。手を加えないといけない。スパイスが足りなかったね」
 前半4分に今季初得点を決めた西沢がこう話せば、小林監督も「うちが1人多くなったことで、サイドに選手を入れてクロスを上げることを意識したが、個人の状況判断がまずかった」と振り返った。


 確かに11人VS10人の状況で攻めきれなかったことは事実で、それを非難する事に関しては当然だと思います。

 ただその数的優位を作り出した要因の一端に、土屋のファウルを誘ったセレッソの攻撃が有った事も事実です。それもまた記するに値するものだと思っています。

J's GOAL

【J1:第6節 C大阪 vs 柏 レポート】手ごたえをつかんだC大阪、模索が続く柏。両者にとって違う意味を持つ「勝ち点1」

(前略)

 90分間を通じて押しながら勝てなかったC大阪と、10人で何とかドローに持ち込んだ柏。一見すると、C大阪が勝点を取りそこなったかにも見えるが、決してそうではなかったようだ。「負けたわけじゃないし、へこむ必要はない。次につながっていると思う」(西澤)、「みんなの調子が上がって、いい戦い方が見つかりつつある。それが大きい」(前田和哉)と、手ごたえを口にするC大阪の選手たち。それに比べて柏は、「我々の形が出し切れなかった。新しいコンビネーションも含めて、次の試合までの1週間調整していきたい」(早野監督)と、チームとして戦い方を探っている様子がうかがえた。


 伝え方によってはこういう記事も出てくるわけです。


 さらに立場を柏に変えると、また違った記事が出てきます。

SANSPO.COM

安永2年ぶり弾も引き分け…「集中力なかった」

 J1第6節第1日(長居スタジアムほか)日本代表FW玉田がけがで欠場した柏は、安永の一昨年5月以来となるゴールで引き分けた。今季横浜Mから移籍したJリーグ11年目のFWは久しぶりの得点に「ほっとした」と笑みをこぼした。一方で、早野監督は「雲の中でやっているような集中力のない試合。われわれのゲームができなかった」と厳しい表情だった。


 メディアの伝え方が千差万別なら、当然ブログの記事でも様々な意見が飛び交っています。

 しかしそれらの中に、「正しい」とか「正しくない」という価値基準は存在しないと思っています。言い換えるなら、全てが等価なのです。文章の上手い下手の差が有ったとしても、それらを否定肯定の物差しにするのは、あまり良い判断とは言えません。


 例え同じ試合を観たとしても、人によって捉え方は様々です。それを受け入れ、楽しむのもまた、サッカーの一部なのです。楽しみが増えるという事は、少なくとも悪い事ではないでしょう。サッカーをより堪能したいとお考えであるならば、是非様々な論評に目を通してみてください。視野がグッと広がるはずですよ。







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