4/26/2005

あざ笑う者に憐憫を。

 柏-名古屋戦の試合後の乱闘で怪我をした名古屋サポーターから被害届が出された為、この一件は恐らくJ最初の「暴力事件」となった。

デイリースポーツ

柏乱闘騒ぎ 暴行事件として捜査

 J1柏―名古屋戦後のサポーター同士の乱闘から一夜明けた24日、柏は対応に追われた。23日夜、救急車で病院に搬送された2人は軽傷で退院。しかし、名古屋サポーターからの被害届を受けた柏警察署が暴行事件として捜査に乗り出すなど、波紋は広がるばかりだ。

 柏サポーターのグループ代表3人がこの日、事務所を訪れて謝罪。暴走サポーターはある程度特定されており、柏のホームとアウエーの試合は無期限入場禁止となる可能性もある。

 柏側は警備強化とともにフェンスに有刺鉄線を巻くことも検討。柏・小野寺重之社長(57)は「25日にJリーグに報告に行き、運営管理の反省と改善策を出す。(処分は)あるでしょう」と話した。柏の報告を受けたJリーグは早急に裁定委員会を開き、かつてない厳罰を下すことは必至だ。


 もちろん余波は柏系のサイトの殆どに及んでいる。柏のサポーターグループで最大規模の(勇)太陽工務店(あえてこの記事ではリンクしません)をはじめ各サイトともにいわゆる「祭り」状態になるなどしている。さっかりん(こちらもリンクはしません)に登録されている全サイトをアクセス順に並び替えると1位から6位まで柏のサイトが並んでいる。

4月25日のさっかりん.JPG


 殆どのブログのコメント欄には凄まじい量の書き込みがなされ、(勇)太陽工務店は今現在サイトを休止している。


 暴力沙汰に及んだ柏サポーター達の罪は大きい。前述したが「サッカー」「Jリーグ」に与えたマイナスイメージはそうそう簡単に拭えるものではない。観戦に訪れる家族連れや子供達、女性の数は確実に減るだろう。


 そして私はもう一つ、問題を見つけたような気がしている。柏サポーターをバッシングする事だけの為にこの事象を扱っている人間、「他人事」と捉えている人間が余りに多いのだ。

 彼らの掲示板での書き込みの多くは柏サポーターを卑下するだけの短いもので、「これからはこういう事が起こらぬようこうしよう」などといった建設的なものは皆無に近い。何のことは無い、ただ嘲る対象がほしくてウズウズしていた連中が「暴力沙汰への批判」という錦の御旗を得て得意になって振り回しているだけなのだ。

 この構図はサッカーにとっても、Jリーグにとっても良くない。全くサッカーに関心の無い人間がこの様子を見て、サッカーファンは程度が低いのだと思ったとしても何も言い返せない。第三者からすればサッカーに関わる者全てが目くそ鼻くそ程の違いしかないのだ。この一件にしても「単なる血の気の多い連中の内輪揉め」くらいにしか理解されないだろう。

 少なくとも今現在進行中の馬鹿騒ぎは即座に中止した方がいい。「事件」はそれとして警察が捜査を始めるだろうし、サッカー協会もクラブに対して何らかの動きを示すだろう。当事者であったサポーターや彼らが属していたグループにも刑事罰やペナルティが科せられるはずだ。それについてもうこれ以上発言をしても効果はあまり期待できない。


 考えるべきは「これから」の事であるべきだと思っている。より安全で、楽しいスタジアムを作り上げる為に自分は何をするべきか。何を心掛けるべきか…。別に標榜する必要はない、皆が心に留め置き、そしてそれをスタジアムで実行すればいい。そういう意識を持つことこそが、このような事件を起こさない最大の防止策ではないか。





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