日本1-0ギリシャ
記録にはこう残るだけ。ただ去年のギリシャと今年のギリシャは違うチームで、去年(というかジーコが監督になってから殆どの期間)の日本と今の日本では、やはり違うチームなのだ。ギリシャには様々なマイナス要因が絡みついていて、日本には様々な追い風が吹いていた。
日本でいうなら攻撃的な位置に中村、小笠原。ボランチに中田英と福西という4人のユニット(特にボランチのコンビ)がようやく中盤の固定メンバーになった。後は他のメンバーの調子であるとか、相手の戦術に合わせて残りの6人をチョイスすればいい。
今回は1トップ気味だったギリシャに3バックだと2枚余るから4バックにして、その分1トップだった柳沢のところに玉田を入れて運動量で相手を疲弊させるという意図が有ったのだろう。私はジーコではないから意図するところは正解ではないかも知れないが、いろいろな考えが有ってメンバーやシステムを変更してきたのは確かだろう。
一見軽々しいシステム、メンバーの変更ではあるが、そこにはジーコの中盤に対する絶対の自信が見え隠れする。
対するギリシャはW杯予選では苦戦している。星勘定をするならもう絶望的かも知れない。コンフェデレーションズカップで好成績をあげれば出場権が与えられると言うのであれば、日本の中盤はもっと激しいチャージを受けていただろう。でも、現実はそうではない。
主力メンバーも何人か怪我やクラブチームの試合に拘束されて、出場が出来ない。個の力に頼らずチームとしての結束で結果を残してきたギリシャではあるけれど、これだけのマイナス要素が有ると頭が痛いところだと思う。
上り調子の日本、下り坂のギリシャ、好対照では有ったけれど、やはり日本は日本であるしギリシャはギリシャだ。日本のお家芸ともいえる「決定機に決めきれない」という悪癖はなかなか直らない。
柳沢に毎試合得点を期待するのは酷だし、玉田はまだレイソルでも得点は0。シュートチャンスを尽くはずしてのハーフタイムに、心配性な人間なら嫌な予感がしたはず。何せユーロ決勝のポルトガル戦でのギリシャの枠内シュートは決勝点となったコーナーからのヘディングシュート1本だけなのだから。
ただそれも杞憂に終わった。またしても途中出場の大黒。今日本で一番冷静にゴールを決められる男が唯一の得点を叩き出した。
その複線に得点の直前に小笠原に代わって投入された遠藤の存在が有る。普通なら中田を上げて遠藤をボランチにするところだが、遠藤はそのまま小笠原の位置に入った。
考えられる理由は二つ、大黒に近い位置でチームメイトである遠藤を使った方が効果的だという考えと、福西、中田英のコンビを崩したくないという信念。恐らく今までのジーコの言動から察するに後者の理由が先に立ったと思うけれど…。
形はどうあれ、勝利した事は素直に喜びたい。ただメキシコがブラジルを破る波乱が有った為、ブラジルが日本に対し全力で向かってくる事が確実になった。そこで日本がどれだけ自分達のサッカーが出来るか、もう一度観てみたい気がする。
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