6/06/2005

絶対に負けなければいい戦い。

 バンコクについた代表が早速練習を開始。スコールの中、ピッチ状態などをチェックしながらの初練習。そこで中田英、三都主の代役に抜擢されたのは、稲本と中田浩二だった。

スポニチアネックス

中田浩&稲本の先発確実 経験十分


 中田浩、稲本の25歳コンビが先発出場することが確実になった。5日のフォーメーション練習で、中田浩は三都主の左サイド、稲本は中田の抜けたボランチでプレー。ジーコ監督はW杯出場を決める大事な試合を2人に託す。

 「スタメン?まだ決まったわけではないけど、出られるなら、とにかく勝ち点3を優先する」。フォア・ザ・チームを強調する稲本にとって、昨年12月16日のドイツ戦以来となる先発のチャンス。中田浩の先発も、昨年11月17日のシンガポール戦が最後で「三都主とは違うので、僕は僕のやり方で守備から入っていく」とイメージを膨らませた。ジーコジャパンでは先発機会が少なくても、実績と経験は十分。累積警告で開いた中盤の穴は、この2人によって修復される。

 布陣とすればこうなるか。中盤はパサー不足なので2トップへの変更が有力。

Field-vs-n.korea-3-5-2.gif


 図に起こしてしげしげと見つめていると、何となくジーコが考えている事が判ってくる。何故中田浩二なのか、何故稲本なのか。


 まず2トップ、トップ下、左サイドの4人は鹿島、ないしは鹿島でプレーした事のある選手で固めている。一瞬「鹿島枠?」などと考えたのだけれど、これはこれで利点が有る。

 これだけ大量に選手が入れ替わると、チームのバランスはどうしても崩れる。個々人の能力で言えば違う選手起用になるのだろうが、鹿島勢でそろえればチームバランスはそうそう破綻はしない。中村、三都主が個の力で左サイドを構築したところをチームプレーで補う。代役候補に強烈なタレントがいない以上、無難な判断だと思う。


 それから左サイドが、同じ鹿島枠でも本山ではなく中田浩二なのにも理屈が有る。

 両者とも左サイドの経験が有るが、どちらかと言えば本山の方がオーソドックスな左サイド、普通の試合であるならば本山か三浦淳かという選択になる。

 ただ北朝鮮戦は普通の戦いではない、「負けなければ勝ち」という試合なのだ。極論を言うなら0-0でもいい。そう考えると守備に一日の長がある中田浩二の方が試合が安定する。


 そしてもう一つ、中田英の代役として稲本を起用する事も一因。小笠原が前節でゴールを決め上り調子とはいえ、単独でボールの散らし役をこなすのは辛いというのは前回の北朝鮮戦で判っている事。どうしても中田のように後ろからのビルドアップが出来る人間が欲しい。

 それが出来るのは現状稲本か遠藤だろうが(その中でジーコは経験豊富でフィジカルの強い稲本を選んだ)、どちらにせよボランチの選手が攻撃参加で前に行くのにはリスクが伴う。そこをカバーする選手にはボランチとしての能力も必要になる。だから中田浩二なのだ。


 臆病な選択かもしれないし、磐石の構えと言えなくも無いし、今の時点でこの判断が良いのか悪いのかは判断し辛い。ただ傍目に見てキチンと理屈の判る起用なのは確か。今まで「どうして?」という用兵を見てきた者にとっては、それだけでもいくらかの安心が出来る。





0 件のコメント :

コメントを投稿