6/27/2005

逃げ込む場所。

 週末ににょこにょことネットを彷徨っていたらちょっと理解に苦しむ記事を見つけた。サッカー関連の話題などではないのだけれど。

Yahoo!ニュース

実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止

 総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。

 今週初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込む。

 国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。

 突っ込みどころが多すぎて何処から突っ込んで良いのか判らないのだけれど、とりあえずネット=悪という実に単純な発想しか無くて、実名でのネット利用の促進なんていうネット使っている人間なら噴飯ものの対策しか出せない総務省にどれだけの税金が行っているんだろうと考えた。こんなところなら1/4ぐらいの予算でもいいんじゃなかろうか。


 冷静に考えてみれば判るけれど、自殺サイトが有るから自殺が増えるというわけではない。試しに総務省は「出産、育児サイト」でも乱立させればいい、出生率は少しも変わらないはずだから。赤ちゃんを育てやすい環境が有って初めて人は子を残したいと考える。サイトは何の意味も無い。自殺志願者とて同じ、彼らはサイトの為に死ぬのではなく、精神の困窮によって死んでいるのだ。

 それに自殺を想い留めるサイトだって沢山ある。ヒマが有ったらGoogleで「死にたい」と検索をかければいい。どれだけの匿名の善意が有るか。


 爆弾の製造法にしてもそうだ。仮に爆弾を作る事が出来なくても、誰かに恨みを持っている人間なら別の方法で復讐するだろう。スーパーにあるモノだけでも結構いろいろな「道具」が揃っている。

 「混ぜるな危険」の表示の有る洗剤を混ぜておいて、人ごみの中でそれをぶちまければどれだけ被害が出るだろう。包丁だって今は結構なものが安い値段で置いている。メタノールに火をつけても、人間には陽炎程度にしか見えないから、その間に致命傷を負わせることだって出来る。

 これらの方法は私が今思いついただけのもので、情報源は全てネットではない。例えネットが無くても、そういう人間は必ず何か「方法」を考えるものだ。


 人は自分が理解できないものに恐怖を感じ、それを阻害しようとする。しかし「良識有る大人」が気がついた時点で、もうそれは無くてはならない存在になっていて、シャットアウトをする事は難しい。それの繰り返しのように感じる。


 この「良識有る大人」だって、その当時「悪い事」とされた学生運動に参加していたり、その当時の親たちが顔をしかめたエレキギターの音色を聞いて育っている。

 つまりどの世代を切り取っても、親と子の、この生産性の無いいたちごっこは存在しているわけだ。それならいっそ大人から、この無益な争いから手をひいてはどうだろうか。それが本当の「良識有る大人」の行動のように感じるのだけれど。





0 件のコメント :

コメントを投稿